マリオネットラインにハイフが働くのは、口角の下の線の外側でたるんだ皮膚と筋膜を超音波の熱で引き締めるところまでで、線の内側の溝を埋める効果はありません。国の研究班がまとめた美容医療診療指針はハイフの効果を「外科手術や注入剤を用いた治療に及ばない」としており、マリオネットラインを含む下顔面の研究で評価者が改善と判定した人は2割程度から6割程度でした。
改善は照射から3か月前後の時点で評価されています。溝に働くのはヒアルロン酸注入で、同じ日に両方受けるならハイフを先にするのが一般的とされ、注入後2週間以内の照射で注入物が減ったという報告もあります。
ここでは、効果の数字、線の仕組みとセルフチェック、ヒアルロン酸との違い、併用の順番、受ける前の確認事項を順にたどります。

国立熊本大学医学部を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2023年アラジン美容クリニックを開院。長年の実績とエイジングケア研究で博士号取得の美容医療のプロ。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様とともに「オンリーワン」を目指す。
マリオネットラインへのハイフの効果はたるみの引き締めまで
ハイフがマリオネットラインにできるのは、線の外側のたるみを引き締めることです。国内の診療指針は効果を注入剤に及ばないと評価し、下顔面を対象にした研究で改善と判定された割合は2割程度から6割程度でした。効くか効かないかではなく、どの程度の人にどの程度の変化が出るかで読むと、期待とのずれを小さくできます。
この章のポイント
・効果は注入剤に及ばないと国内の指針
・下顔面の改善は評価者の判定で2〜6割
・変化は3か月前後から、記録は1年まで
国内の指針は「注入剤に及ばない」と評価
厚生労働科学研究の研究班がまとめた美容医療診療指針(令和3年度改訂版)は、ハイフをしわ・たるみの治療として「行うことを弱く推奨」し、推奨文で効果は外科手術や注入剤を用いた治療に及ばないと明記しています。ハイフはHIFU(高密度焦点式超音波)の読み方で、超音波を皮膚の下の決まった深さに集めて熱を生じさせる施術です。指針は、瘢痕(傷あと)が残ることがまれで体内に異物を残さない点を利点に挙げる一方、副作用に瘢痕形成や神経麻痺があり十分な注意が必要としています。
顔のしわへのヒアルロン酸注入も同じ「弱く推奨」ですが、効果の大きさはハイフの推奨文が注入剤に及ばないと明言しています。ハイフの承認状況は、令和3年度改訂版の指針の時点で「すべて国内未承認」とされていました。承認とは、国が有効性と安全性を審査したうえで製造販売を認めることです。
下顔面の研究で見る改善の割合
マリオネットラインを含む下顔面の研究では、改善と判定された割合に約2割から約6割の幅があります。トルコの後ろ向き研究(過去の診療記録を振り返って調べる研究)では、下顔面に1回照射した24人を盲検(どの時点の写真かを伏せて評価する方法)の医師2人が評価し、改善は20.9%、変化なしは62.5%で、悪化と判定された人も16.7%いました。本人の評価では45.9%が改善と答えており、医師の評価は本人の評価より低く、その差は偶然とは考えにくいものだったと報告されています。
米国で、施術の前から計画を立てて経過を追った試験(前向き試験)では、頬・下顔面・顎の下に1回照射した93人のうち、盲検の評価者3人が90日後に改善と判定したのは58.1%でした。BMI(体格指数)が30を超える人の54.5%は変化がなく、30以下の人では12.2%です。顔全体の研究を集めた系統的レビュー(複数の研究を一定の方法で集めて評価したまとめ)では、90日時点の改善が92%でしたが、最も多いのは軽度の改善で47%でした。
ハイフの改善の割合を、評価した範囲ごとに並べると次のとおりです。
| 評価した範囲 | 人数 | 評価の時期 | 評価者の判定 |
|---|---|---|---|
| 顔全体(研究のまとめ) | 337人 | 90日後 | 92%(最多は軽度) |
| 下顔面(米国) | 93人 | 90日後 | 58.1% |
| 下顔面とマリオネットライン(トルコ) | 24人 | 約4か月後(真ん中の値で4.3か月) | 20.9%(変化なし62.5%、悪化16.7%) |
機器や評価方法が異なる研究を並べたもので、数字の大小で優劣は比べられません。いずれも海外で行われた研究で、何もしない人と比べる対照群はなく、下顔面の2研究では本人の評価が高めです。
変化が出る時期と続く期間
ハイフの変化は照射の直後ではなく、数か月かけて現れると考えられています。フェイスラインと顎の下にたるみのある女性22人に1回照射した研究では、皮膚の弾力が4週後にいったん下がり、12週と24週では照射前より上がりました。いずれも偶然とは考えにくい差です。照射した部位の真皮(皮膚の深い層)のむくみは3日後に見られて4週までに消えており、直後の引き締まった印象にはむくみが含まれうると考えられます。この研究は、共著者2人が使用機器の製造企業の社員です。
続く期間について、先述の系統的レビューは改善が1年まで続いたとし、それより長い追跡の記録はないとしています。韓国で20人の顔全体に照射した研究では、効果が大きかったのはフェイスライン・頬・口の周りの順で、12か月後に回答した15人のうち一部の部位に効果が残ると答えたのは4人でした。ハイフでマリオネットラインが消えることを示した研究はなく、報告されているのは改善と判定された人の割合です。
線の仕組みと、ハイフが届く場所
改善の割合に幅がある理由は、線の成り立ちとハイフが働く場所の関係から見えてきます。マリオネットラインは、筋肉と一体に動く脂肪の少ない内側の組織と、ゆるみやすい外側の組織の境目にできる線で、ハイフが働くのは外側のたるみです。内側の溝の深さには働きにくいと考えられ、自分の線がどちら寄りかは自宅でも観察できます。
この章のポイント
・線は内側と外側の組織の境目にできる
・ハイフが主に働くのは外側のたるみ
・指と写真で自分の線の性質を観察する
口角の下の線はゆるむ組織とゆるみにくい組織の境目
マリオネットラインは、口角を下げる筋が皮膚に固定されている範囲の端にできる線だと、献体研究で示されています。献体研究とは、医学のために提供されたご遺体で皮膚や筋肉の層を調べる解剖研究です。この研究は、口角の下の線は靭帯でできるのではないと結論し、線の内側では皮膚と筋肉が一体に動くと説明しています。線の外側のもたつき(ジョウル)は、皮下で支える短く弾力のある組織が年齢とともに伸びてゆるむことでできるとされます。
マイクロCT(細かな構造を立体的に写すX線撮影)で調べた別の献体研究は、この線が外側の脂肪の多い領域と内側の脂肪の少ない領域の境で、年齢とともに口角を下げる筋などが下に引くことで強調されると報告しています。線が深く見える理由は、外側が下がることと、内側がくぼんで下に引かれることの2つに分けて考えられます。いずれも献体を観察した研究で、同じ人の経過は追っていません。
ハイフは外側の皮膚と筋膜を熱で引き締める
ハイフが主に働くのは、線の外側でたるんだ皮膚と筋膜と考えられます。研究では4.5mmと3.0mmの深さへの照射が使われ、深いほうはSMAS(表在性筋膜:皮膚の下で表情筋とつながる膜)を狙うとされています。ただし消費者庁の消費者安全調査委員会の報告書は、機器の出力や照射方法が適切でなければ膜の周囲にも熱が及び、膜の下に多く通る神経を傷つけるリスクがあると指摘しています。
研究の対象はおおむね軽度から中等度のたるみです。先述の系統的レビューは、過度なたるみが研究の対象から外されていたこと、たるみが強いほど改善が小さかったことを示し、重度のたるみには外科的な手段が最善としています。ハイフは内側の脂肪の少なさやくぼみを補う施術ではないため、溝が主体の線では変化を感じにくいと考えられます。
鏡とスマホでできるセルフチェック
自宅でできるのは診断ではなく、相談の場で伝える材料をつくるための観察です。一例として、次の手順があります。
- 窓際の明るい場所で、無表情のまま正面と斜め45度を撮り、距離と時間帯を控える
- 両手の指で頬の皮膚を耳の方向へ軽く持ち上げ、線が浅くなるかを撮る
- 線の両側に指を置いて左右にそっと広げ、溝が平らになるかを撮る
- 座った姿勢と仰向けで同じ角度から撮り、仰向けで目立たなくなるかを比べる
- 日付を付けて保存し、3か月ごとに同じ条件で撮り直す
2は外側の組織の重みの関わりを、3と4は溝の深さや重力の関わりを見る観察で、判定の基準ではありません。国内承認のヒアルロン酸注入材の添付文書(国の承認内容に沿って作られる製品の公式の説明書)も、指で伸ばして修正の効果がわかるしわが望ましいとし、処置前の写真撮影を勧めています。
ヒアルロン酸との違いと選び方
線の外側と内側で必要な働きが違うとわかると、次はヒアルロン酸との比べ方です。ヒアルロン酸は線の内側の溝を注入物で持ち上げる施術で、変化はその場で出ますが、時間とともに戻っていきます。どちらが向くかは線の性質で決まり、2つを同じ人で比べた試験はありません。承認状況は違い、救済制度の対象外である点は同じです。
この章のポイント
・溝はヒアルロン酸、たるみはハイフが担う
・国内の承認品があるのはヒアルロン酸
・どちらも医薬品の救済制度の対象外
ヒアルロン酸は溝を内側から持ち上げる
国内で承認されたヒアルロン酸注入材には、使用目的を顔面の中等度から重度のしわや溝の修正とし、真皮の中層から深層に注入して、その場で溝を持ち上げるものがあります。例に挙がっているのは鼻唇溝(ほうれい線の医学的な呼び名)で、マリオネットラインを名指しした製品はありません。
マリオネットラインを専用の5段階の物差しで評価した研究では、フランスの1施設で比べる相手を置かない試験を83人が終え、左右とも1段階以上改善した人が1か月69.9%、3か月58.2%、6か月51.3%で、その後12か月まで下がり続けました。改善とは線がなくなることではなく、段階が1つ以上下がることです。使われた製剤は、先に挙げた使用目的で国内承認を受けている製品と同じものです。この研究は製造販売企業の資金で行われ、同社の社員が著者に含まれます。
2つの施術を、働く場所・時期・承認・リスクで並べると次のとおりです。
| 比べる点 | ハイフ | ヒアルロン酸 |
|---|---|---|
| 主に働く場所 | 線の外側のたるみ | 線の内側の溝 |
| 変化が出る時期 | 3か月前後から徐々に | 注入した直後から |
| 記録のある持続 | 改善の記録は1年まで | 12か月まで記録・徐々に低下 |
| 国内の承認 | 美容目的の承認機器なし | 承認品あり(未承認品も流通) |
| 指針の推奨 | 弱く推奨(注入剤に及ばない) | 弱く推奨 |
| 重いリスク | 神経障害・やけど・瘢痕 | 血管閉塞による壊死・失明・脳卒中 |
2つを同じ人で比べた試験はなく、別々の研究の結果と解剖の知見から整理したものです。
承認状況と救済制度の違い
美容目的のハイフには、国内で承認された機器がありません。厚生労働省は2023年3月の通知で、しわやたるみの改善をうたうHIFU機器は医療機器に当たるとし、その時点で美容目的の承認機器はないと明記しました。医薬品医療機器総合機構が公表している承認品目の一覧でも、2026年6月までに承認された医療機器に美容目的のハイフはありません。2025年4月に承認された皮膚引締め用超音波照射器は、焦点を結ばずに皮膚から1.5mmほどの真皮を加熱する機器で、ハイフとは仕組みが違います。
国内未承認は使えないという意味ではありません。先述の消費者安全調査委員会の報告書は、美容クリニックでは医師が輸入代行業者を通じ、未承認の医療機器として個人輸入していると報告しています。美容目的のハイフは国内未承認・保険適用外の施術で、使う機器の名前と入手経路、国内の承認品の有無、海外での安全性の情報、救済制度の対象外であることの説明を求めることができます。
ヒアルロン酸注入材には承認品がありますが、指針は未承認品も広く使われているとしています。医薬品副作用被害救済制度の対象は医薬品と再生医療等製品で、ヒアルロン酸注入材もハイフの機器も医療機器のため、承認の有無にかかわらず対象になりません。
どちらが向くかと、ほかの選択肢
どちらが向くかは線の性質で分かれ、最終的な判断は診察で行います。目安の一例は次のとおりです。
- 持ち上げると浅くなる、たるみの軽い線:ハイフの研究対象に近い型
- 指で広げると平らになる、くぼみが主の線:ヒアルロン酸の条件に近い型
- 両方の要素をもつ線:組み合わせの検討対象
- たるみの強い線:外科的な手段の検討対象
糸リフトは、効果が大きくなく持続も短いと説明したうえで行うことを指針が弱く推奨していますが、リフト用に承認された糸はなく、受けられない人を定めた国内の公式な説明書もありません。指針は合併症の多くを軽微としつつ、溶けない糸で合併症の報告が多いとしています。すぐに施術を決めず、写真で記録しながら様子を見ることも、同じように成り立つ選択です。
同じ日に両方受けるなら先にハイフ
役割の違う2つを組み合わせるなら、順番と間隔が問題になります。同じ日に両方受ける場合はハイフを先にするのが一般的とされ、注入後2週間以内の照射では組織内のヒアルロン酸が減ったという報告があります。ただし減ったのは一部で、安全な間隔は定まっておらず、注入歴を踏まえて医師と決めることになります。
この章のポイント
・同じ日に受けるならハイフを先にする
・注入後2週間以内の照射で減少の報告
・間隔は注入歴を伝えて医師と決める
注入後2週間以内の照射で注入物が減った報告
注入後の早い時期にハイフを当てると、注入したヒアルロン酸が一部減ったとする研究があります。同じ日に両方行うならハイフの後に注入するのが一般的とされてきましたが、注入後の照射の影響を調べた研究は多くありません。タイの予備研究では、14人の腹部の皮膚4か所に少量のヒアルロン酸を注入し、1か所は照射せず、残る3か所に注入60分後・14日後・28日後の浅い深さのハイフを当てて、56日目に組織を調べる検査(生検)で残った量を段階で評価しました。
分析できた13人のうち、減少がみられたのは60分後に照射した部位で53.9%、14日後の部位で46.2%で、残った量の段階は最初の検査と比べて、偶然とは考えにくい差で下がっていました。28日後の部位ではそこまでの差はなく、炎症や肉芽腫(異物の周りにできるしこり)はどの部位にも見られませんでした。
注入からハイフまでの間隔と、56日目に残ったヒアルロン酸の関係は次のとおりです。
| 注入から照射まで | 減少がみられた人 | 残った量の段階(最初の検査→56日目) | 偶然とは考えにくい差 |
|---|---|---|---|
| 60分後 | 53.9% | 3.7→2.8 | あり |
| 14日後 | 46.2% | 3.7→3.0 | あり |
| 28日後 | 人数の報告なし | 3.7→3.3 | なし |
腹部の皮膚に浅く注入した13人の予備研究で、顔の深い層への注入にそのまま当てはまるとは限らず、28日空ければ安全と言えるわけでもありません。減ったのは一部で、ハイフを当てれば注入物が溶けてなくなるわけではなく、入れすぎた注入物をハイフで溶かせることを示した研究もありません。
併用の安全性と間隔の決め方
併用の安全性については、韓国の2つの医療機関で18年間のカルテを調べた研究があります。ハイフや高周波(電流の熱で皮膚を温める治療)とヒアルロン酸を併用した人で表面の凹凸が2例(1.1%)報告され、注入物の移動や予期しない早期の消失はありませんでした。ただし過去の記録を振り返った調査で、順番や間隔は示されていません。
先述の皮膚引締め用超音波照射器は焦点を結ばない別の仕組みですが、その説明書は、皮膚充填剤(ヒアルロン酸などの注入物)がある部位の直上への照射は安全性が確立されておらず、推奨しないとしています。国内承認のヒアルロン酸注入材の説明書も、ハイフを名指ししてはいないものの、レーザー治療やケミカルピーリングなどを受ける予定の人を、注入部位の炎症を招くことがあるとして慎重に扱う対象に挙げています。
安全な間隔は定まっていないため、いつ・どこに・どの製品を注入したかを伝え、間隔は医師と決めます。ハイフ同士の間隔も比べた試験はなく、効果の記録も1年までなので、前回の施術前と同じ条件の写真と比べて決める方法が現実的です。
受ける前に確かめたいリスクと体制
組み合わせ方まで見えたら、最後は安全面です。ハイフで最も長引きやすいのは神経・感覚の障害で、医療機関での事故も報告されています。ヒアルロン酸では血管の閉塞が最も重い合併症とされ、受けられない人の条件と何かあったときの体制は、施術を決める前に確かめておく必要があります。
この章のポイント
・長引きやすいのは神経・感覚の障害
・受けられない人を施術ごとに確かめる
・施術者・機器・緊急時の連絡先を聞く
ハイフの副作用と口元の神経
先述の系統的レビューでは、一時的な赤み(むくみを伴うこともある)がほぼ全員に見られ、内出血、しびれや過敏などの知覚異常、ちくっとする痛み、下あごのやけど、首の線状の跡、接触皮膚炎(触れたものによるかぶれ)といったまれな副作用は、治療を受けた人全体の2%でした。先述の米国の下顔面の試験では、施術中の痛みが10段階で頬5.68、下顎の下の領域6.53と報告されています。
国内の事故情報を分析した先述の消費者安全調査委員会の報告書では、2015年11月から2022年12月までに135件が寄せられ、うち美容医療を行う医療機関での事故が31件でした。1か月以上続いた割合が最も高いのは神経・感覚の障害で15件中8件、部位のわかる13件はすべて顔で、報告された症状の例には口角の麻痺や下唇の感覚の消失が含まれます。件数は事実確認を経ていない相談を含み、施術場所ごとの安全性の比較には使えません。
指針も、ハイフは組織を選んで壊すことができないため、解剖の知識がないと皮下の神経や血管、筋肉を傷つけるおそれがあるとしています。ヒアルロン酸については、血管内への誤注入による皮膚の壊死や失明の報告があると指針は記しており、国内承認のヒアルロン酸注入材の説明書も、血管への誤注入などにより失明や脳卒中が起こりうるとしています。
受けられない人・慎重な判断が要る人
受けられない人の条件は施術ごとに異なり、国内承認のヒアルロン酸注入材の説明書は、禁忌(使ってはいけないと定められた条件)と慎重な判断が要る条件を次のように挙げています。
- 禁忌:製品の成分、含まれる麻酔薬と同じ種類の局所麻酔薬(アミド型)、ヒアルロン酸をつくる過程で使われる細菌(グラム陽性菌)に由来するたんぱく質のいずれかで、アレルギーなどの過敏症を起こしたことがある人
- 使わない部位:炎症や感染のある部位
- 慎重な判断:出血しやすい人や、アスピリン・抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を使っている人、ケロイド体質、免疫の異常
- 慎重な判断:心臓の拍動を伝える電気信号の障害(含まれる麻酔薬で悪化することがある)、重い肝臓・腎臓の障害、レーザー治療などの予定
- 安全性が未確立:妊娠中・授乳中、未成年
美容目的のハイフには、国内の公式な説明書がありません。参考として、先述の皮膚引締め用超音波照射器の説明書は、ペースメーカなどが埋め込まれた部位、治療部位の傷や炎症を伴う皮膚の病気・感染・悪性腫瘍を禁忌としています。これは焦点を結ばない別の仕組みの機器の条件で、ハイフの禁忌を定めたものではありません。
同じ説明書は、皮膚充填剤の入った部位の上、顔に金属のインプラントがある人、ケロイドができやすい人、6か月以内にイソトレチノイン(ニキビの治療などに使われるビタミンAに似た飲み薬)などを飲んだ人、2週間以内に血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)を飲んだ人、傷の治りが遅いと見込まれる人を慎重な対象とし、妊娠中・授乳中・妊娠を予定している人・出産後3か月以内の安全性は確立していないとしています。
医療機関で確認したい5つのこと
ハイフを受けるなら、施術の前に次の5点を確かめておくと判断しやすくなります。
- 医師が医療機関で照射するか
- 使う機器の名前と国内承認の有無、未承認の場合の入手経路
- 照射する深さと本数、口角や下顎の神経の近くの扱い
- しびれや口元の左右差、やけどが出たときの時間外を含む連絡先
- 併用するヒアルロン酸の製品名と間隔、血管閉塞時の分解酵素の用意
厚生労働省は2024年の通知で、医師以外が仕事としてハイフを照射すれば医師法違反になり、医師による照射も医療提供施設で行うよう示しました。注入したヒアルロン酸を溶かす目的の分解酵素(ヒアルロニダーゼ)の製剤は国内で承認されておらず、製剤によっては分解されにくいヒアルロン酸もあると指針は記しています。厚生労働省が施術前の確認に挙げる、施術が「今すぐ」必要かも、自分に問いかけておきたい点です。
マリオネットラインのハイフについてよくある質問
ハイフについて、よく寄せられる疑問に短く答えます。
マリオネットラインはハイフで消えますか?
消えることを示した研究はありません。下顔面の研究で評価者が改善と判定したのは2割程度から6割程度で、国内の指針は効果を注入剤に及ばないと評価しています。
ハイフの効果はいつ出て、どのくらい続きますか?
皮膚の弾力は照射4週後にいったん下がり12週以降に上がったという測定があり、変化は3か月前後からと考えられます。改善の記録は1年までで、それ以上続くかは示されていません。
ハイフとヒアルロン酸はどちらを先に受けますか?
同じ日に両方受けるなら、ハイフを先にするのが一般的とされています。注入後2週間以内の照射で注入物が減ったという報告があるため、注入済みの場合は注入歴を伝えて間隔を医師と決めます。
ハイフは何か月おきに受けるものですか?
受ける間隔を比べた試験はなく、決まった目安はありません。効果の記録も1年までのため、前回の施術前と同じ条件で撮った写真と比べて、次に受けるかを医師と決めます。
エステサロンのハイフでも同じですか?
同じではありません。厚生労働省は医師以外が仕事としてハイフを照射すれば医師法違反になると通知しており、国内の事故情報では神経・感覚の障害が長引きやすいと報告されています。
まとめ
マリオネットラインに対するハイフの働きは線の外側のたるみを数か月かけて引き締めることで、効果は注入剤に及ばないと評価されています。線の内側の溝はヒアルロン酸注入の役割です。同じ日に両方受けるならハイフを先にするのが一般的とされ、注入後に照射する場合は注入歴を伝えて間隔を医師と決めます。美容目的のハイフに国内の承認機器はなく、口元の神経の障害は長引きやすいため、施術者・機器・緊急時の体制の確認が欠かせません。数字は海外の研究による集団の記録で、個人の経過を約束するものではありません。
今日からできるのは、同じ条件で口元の写真を残し、セルフチェックで外側と内側のどちらが主かを観察し、注入歴と5つの確認項目をメモにすることです。線の性質や組み合わせ方を自分で判断しきれないときは、写真を持って池袋本院のカウンセリングでご相談ください。
アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。
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参考文献・出典
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