マイクロブレイクとは?効果と何分ごとに休むかの目安

ウェルビーイング

マイクロブレイクとは、昼休みなどのまとまった休憩とは別に、作業の途中で取る数秒から10分以内の短い休みのことです。日本でも国の労働衛生の指針が、パソコンなど画面を使う作業は1時間以内で区切り、その途中に1〜2分程度の「小休止」を取るよう示しています。

研究をまとめた分析で確かめられているのは活力と疲労への小さな効果で、仕事の成績全体が上がるという結果は出ていません。休む間隔は休ませたい対象で変わり、画面作業は1時間以内、目は20分ごとが目安とされています。

ここでは、国の指針と海外の研究に基づいて、マイクロブレイクの定義から、効果が確かめられている範囲と限界、画面作業・目・座りっぱなしのそれぞれで休む間隔、休憩中にスマートフォンを見るときの注意までを順に取り上げます。後半では、自分が何分続けて画面に向かっているかを測るセルフチェックの手順と、休んでも戻らない目や体の不調を相談につなげる目安も示します。

 

マイクロブレイクは10分以内の短い休み

マイクロブレイクは、作業の流れの中で挟む10分以内の短い中断を指し、国の指針では画面作業の途中に取る「小休止」がこれにあたります。海外の心理学研究とともに広まった言葉ですが、作業の途中で1〜2分休むという考え方自体は、国内の労働衛生の分野で以前から示されてきました。この章では、昼休みとの違いと、国の指針での位置づけを確認します。

この章のポイント
・作業の途中に挟む10分以内の短い中断を指す
・国の指針にある1〜2分程度の小休止にあたる
・1時間以内で区切る目安は在宅勤務でも同じ

昼休みとの違いは作業の途中で取ること

マイクロブレイクは、昼休みのようなまとまった休憩時間とは別に、作業の途中で挟む短い中断です。昼休みは労働時間の途中に法律に基づいて与えられる休憩時間で、仕事から完全に離れることが前提です。これに対してマイクロブレイクは、作業の流れを保ったまま、その合間に差し込む休みを指します。

研究では10分以下の中断と定義され、実際に検証されてきた休憩の長さは8秒から10分まで幅があります。メールを1通送った後に窓の外を眺める、席に座ったまま肩を回すといった数十秒から数分の中断も含まれます。研究で試されてきた休憩中の過ごし方も、動画を見る、体を動かす、リラックスする、自然の景色に触れるなどさまざまです。

国の指針である厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」も、画面作業を中断して取る休み(作業休止)を「いわゆる休憩時間ではない」と位置づけ、作業の途中で取る1〜2分の小休止もこの作業休止の一つとしています。目的は、画面を見続けること、キー操作、同じ姿勢の長時間の持続による目・首・肩・腰・腕などの疲労を防ぐことです。遠くの景色を眺める、目を閉じる、体を伸ばす、画面を使わない別の業務をするといった時間を、休憩時間とは別に作業の中へ組み込む考え方です。マイクロブレイクは席を離れなくても取れるため実行しやすい一方、短い休みで回復できる範囲には限りがあり、長い休憩の代わりにはなりません。

国の指針では1〜2分の小休止にあたる

国の労働衛生の指針では、画面を使う作業の途中で取る1〜2分程度の「小休止」が、マイクロブレイクに最も近い休み方です。指針は、休まずに続ける作業時間(一連続作業時間)を1時間以内とし、次の作業までに10〜15分の作業休止を設け、その1時間の途中にも1〜2回程度の小休止を挟むよう示しています。小休止は時刻を決めず、作業する人が自由に取れるようにするものと位置づけられています。1時間ごとの10〜15分と、その間の1〜2分という2種類の休みを組み合わせる設計で、マイクロブレイクは後者にあたります。

1時間という目安は、パソコン作業がおよそ1時間以上続くと入力の誤りが増え、光の点滅を見分ける力が落ちるという研究結果に基づいています。光の点滅を見分ける力は、頭がはっきり目覚めている度合いを反映する指標とされます。

指針は事業者向けの基準で、個人に義務や罰則を課すものではありません。対象は事務所でパソコンやタブレット端末を使う作業全般で、1日4時間以上画面作業をし、常に画面を見続けるか自分の裁量で休みにくい作業も、それ以外の作業も、作業時間の管理を原則として行うとされます。影響の個人差が大きいため一律ではなく実態に合わせて運用することとされ、在宅勤務など事務所以外での作業も、できる限り指針に準じて管理することが望ましいとしています。

 

効果が確かめられているのは活力と疲労

国の指針にもある休み方だとわかると、次に気になるのは、短い休憩に本当に効果があるのかという点です。研究をまとめた分析では、活力と疲労には小さいながら改善がみられた一方、仕事の成績全体では統計的な差が示されていません。この章では、その分析の結果と、長い休憩に切り替える目安を確認します。

この章のポイント
・活力と疲労には小さいが統計的に意味のある改善
・仕事の成績全体では統計的な差が示されていない
・強い消耗からの成績回復には10分超の休憩が必要な可能性

22の研究の統合で活力と疲労に小さな改善

短い休憩で活力が高まり疲労が和らぐ効果は、複数の研究をまとめた分析で、統計的に意味のある差として示されています。ただし、その差の大きさは小さいと評価されています。

メタ分析とは、複数の研究結果を統合して、全体としてどのくらいの効果があるかを分析する方法です。マイクロブレイクのメタ分析では、19本の論文から得た22の研究、計2,335人のデータが統合されました。対象は学生と働く人がほぼ半数ずつで、実験室と職場の研究を含み、比較の相手は休憩なし、または別の形の休憩でした。活力、疲労、仕事の成績について、効果の大きさ(研究間で比べられるようにそろえた差の大きさ)を並べると次のとおりです。

測ったもの 統合した研究数 効果の大きさ 統計的な差
活力 9件 0.36 あり
疲労 9件 0.35 あり
仕事の成績 15件 0.16 なし

効果の大きさは、一般に0.2が小さい差、0.5が中程度の差の目安とされ、活力と疲労の0.35前後はその中間にあたります。著者自身は、この効果を「統計的に意味のある差だが小さい」と表現しています。また、活力と疲労はすべて本人の自己申告で測られ、偏りの危険がどの点でも低いと判定された研究は22件中4件でした。

仕事の成績は全体では上がるとは言えない

研究をまとめた分析では、短い休憩の仕事の成績への効果の大きさは0.16で、統計的な差は示されませんでした。「マイクロブレイクで生産性が上がる」という紹介のされ方と、研究の結論との間にはずれがあります。

休憩の前にしていた課題の種類で分けると、結果はさらに分かれました。事務作業の後では0.56、創造的な課題の後では0.38と成績への効果がみられた一方、頭を使う課題(認知課題)の後では−0.09で、ほぼ効果がありませんでした。ただし、事務作業の結果は2件、創造的な課題の結果は3件の研究に基づくため、慎重に受け止める必要があります。

気分や疲れを整える目的では短い休憩に意味がある一方、成績を上げる手段として期待しすぎないほうがよい、というのが現時点での研究の読み方です。

消耗が強いときは長めの休憩に切り替える

強く消耗した後は、短い休憩だけでは作業の成績の回復が追いつかない可能性があり、10分を超える休憩に切り替える選択肢があります。先述のメタ分析では、休憩が長いほど成績への効果が大きくなる関係が示された一方、活力と疲労への効果は休憩の長さに左右されませんでした。

著者は、強く消耗する課題の後に成績を回復させるには、10分を超える休憩が必要かもしれないと結論しています。気分や疲れを整える目的なら短い休憩で足り、消耗が強いときは国の指針にある10〜15分の作業休止や昼休みなど、まとまった休憩が向いていると考えられます。マイクロブレイクは長い休憩の代わりではなく、長い休憩までの間をつなぐ休み方と位置づけると使い分けやすくなります。

 

何分ごとに休むかは休ませたい対象で変わる

短い休憩の守備範囲がわかったところで、実際に何分ごとに何分休むかを決めていきます。単一の正解はなく、画面作業全体・目・座りっぱなしのどれを休ませるかで目安が変わり、目安の根拠の強さもそれぞれ異なります。3つの目安はいずれも重ねて使えます。

この章のポイント
・画面作業は1時間以内、途中に1〜2分の小休止
・目は20分ごとに20秒以上、約6m先を見る
・座りっぱなしを区切る間隔は数値で決まっていない

休ませる対象ごとの目安と、その出どころを並べると次のようになります。

休ませる対象 区切る目安 1回の長さ 目安の出どころ
画面作業全体 1時間以内 小休止1〜2分・休止10〜15分 国の労働衛生の指針
目 20分ごと 20秒以上 米国眼科学会の推奨
座りっぱなし 数値の推奨なし 試験では30分ごと5分で血糖に差 国の運動ガイド・11人の試験

座りっぱなしの「30分ごと」は、国の運動ガイドの解説で例として挙げられた数値で、推奨事項そのものではありません。例えば、1時間の画面作業の中で20分ごとに遠くを見て、1時間の区切りで立ち上がるというように組み合わせられます。

画面作業は1時間以内で区切り途中で1〜2分休む

国の指針に沿うと、画面作業は1時間以内で区切って10〜15分の作業休止を取り、その1時間の途中にも1〜2分程度の小休止を1〜2回挟む二重の構造になります。一例として、9時に作業を始めたなら、9時20分前後と9時40分前後に1〜2分手を止め、10時までに10〜15分の作業休止に入るという組み立て方ができます。

作業休止は完全に休む時間である必要はなく、電話や書類の整理、打ち合わせなど、画面を使わない別の業務に切り替えてもよいとされています。一方、小休止は時刻を決めて一斉に取るものではなく、作業する人が自分のタイミングで自由に取るものです。区切りのよいところで手を止め、画面から目を離せば、指針の考え方に沿った取り方になります。

目は20分ごとに20秒、6m先を見る

目を休ませる目安として、米国眼科学会は、20分ごとに約6m(20フィート)以上離れた物を20秒以上見る「20-20-20ルール」を勧めています。画面を見ている間は、まばたきが1分間に約15回から約5〜7回に減り、目の乾きや疲れにつながるとされます。

このルールに沿って休憩を促すソフトを2週間使った研究があります。目の症状があるパソコン利用者29人を対象とした、比較する群を置かない小規模な研究で、休憩の回数が増え、目の疲れやドライアイの症状が軽くなりました。一方、使用をやめて1週間後には症状の改善が保たれず、涙の量や目の表面の状態といった検査の値は変わりませんでした。続けている間に症状を和らげる休み方であり、治療とは位置づけが異なります。

眼精疲労(目の疲れが続く状態)は病気というより症状で、目を細め続けることによる顔の筋肉の疲れも含まれます。眼精疲労そのものが目を傷つけたり、永続的な障害を残したりすることはないとされています。一例として、作業中の顔をスマートフォンで1分間動画に撮り、まばたきの回数を数えると、画面を見ているときの目の状態を知る手がかりになります。医学的な検査ではなく、自分の傾向をつかむための目安です。

座りっぱなしは立って歩く休憩で区切る

座りっぱなしは、立ち上がったり歩いたりしてできる限り頻繁に区切ることが勧められていますが、何分ごとに何分という数値の推奨はありません。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することを推奨しています。解説では、長く座り続ける時間をできる限り頻繁に、例えば30分ごとに中断することが、食後の血糖値や中性脂肪、インスリンの効きにくさといった、心臓病や糖尿病などにつながる値の改善に重要と報告されていると紹介しています。WHOの指針でも、座位を区切る頻度と長さを数値で推奨するには根拠が不十分とされました。

区切る長さを比べた試験では、45歳以上の11人が、8時間座って過ごす日を条件を変えて5回経験しました。同じ人が日を変えてすべての条件を試す方法で、食後血糖の上がり方に差が出たのは30分ごとに5分歩いた条件だけで、30分ごとに1分では差がはっきりしませんでした。一方、上の血圧はどの条件でも区切らない日より下がり、1時間ごとに1分歩くだけでも約5mmHg低下しました。人数が少ない短期の実験ですが、目的によって必要な長さが違う可能性を示しています。

同じ試験では多くの条件で疲労感が下がった一方、認知機能のテストの成績には差がなく、気分や疲れと成績が別に動く点は先述のメタ分析の結果とも重なります。国の労働衛生の指針も、座ったままではなく時折立って作業を交えることを望ましいとしています。

 

休憩中の過ごし方とスマホ休憩の落とし穴

何分ごとに休むかが決まったら、次は休憩中に何をするかです。休憩は仕事から離れることが前提で、スマートフォンを見る休憩は、ほかの休み方よりその後の課題の成績が戻りにくかったという実験があります。この章では、その実験と、休ませたい対象ごとの過ごし方、続けるための記録の手順を確認します。

この章のポイント
・スマホ休憩は後半の課題の成績が伸びにくかった
・休み方は目・首肩・全身の休ませたい対象で選ぶ
・連続作業時間を記録すると小休止の位置が決まる

スマホで休むと課題の成績が戻りにくい

休憩中にスマートフォンを見ると、紙やパソコン画面で同じ作業をして休んだ場合より、その後の課題の成績が戻りにくかったという実験があります。

対象は米国の大学生414人で、4つの条件にくじ引きで分けられました。易しい問題と難しい問題を合わせて10問の文字の並べ替え問題を解いた後、スマートフォン、パソコン画面、紙のいずれかで同じ買い物リストを作る休憩を取るか、休憩なしで、後半の難しい10問に取り組んでいます。後半の結果は次のとおりです。

休憩の方法 後半に解けた数(10問中) 後半にかかった時間
スマホで休憩 6.38問 330秒
紙で休憩 8.13問 276秒
パソコン画面で休憩 8.13問 279秒
休憩なし 5.32問 356秒

スマートフォンで休んだ人は休憩なしよりは多く解けたものの、紙やパソコン画面で休んだ人より2問近く少なく、かかった時間は休憩なしと統計的な差がありませんでした。休憩中の作業は全員同じ買い物リスト作りに固定され、画面の小ささが影響した可能性も著者が挙げています。働く人の日常の休憩にそのまま当てはまるとは限りませんが、休憩中にスマートフォンへ手が伸びたときの判断材料になります。また、画面を見続ける限り、まばたきが減った状態も続きます。

目・首肩・全身で休ませ方を選ぶ

休憩中に何をするのが最も効果的かは、研究でもまだ決まっていません。先述のメタ分析でも活動の種類ごとの比較はできず、気分や疲れの面では、仕事から離れる活動であれば種類を問わないとみられています。そこで、国の指針が挙げる過ごし方を、休ませたい対象ごとに振り分けて選ぶ方法が現実的です。

  • 目:遠くの景色を眺める、目を閉じる
  • 首肩:首や肩のストレッチ、背伸び、姿勢の変化
  • 全身:立ち上がって歩くなどの軽い運動

この振り分けは効果の順位ではなく、どこを休ませたいかの違いに基づくものです。夕方に目の奥が重いなら目の休み方を、首や肩が固まっているならストレッチを選ぶというように、その日の疲れ方で決められます。画面を使わない別の業務に切り替えることも、国の指針では作業休止の過ごし方に含まれています。

ストレッチや歩行の途中で痛み・しびれ・めまいが出た場合はその動きを中止し、持病で運動を制限されている人は主治医の指示を優先してください。

作業記録で自分の連続作業時間を測る

「疲れたら休む」だけでは、自分が何分続けて画面に向かっているかを把握しにくいため、一例として、まず記録で見える化する方法があります。研究に基づく手順ではなく、自分の働き方をつかむための工夫です。

  1. 午前か午後の2時間を選び、作業の開始時刻をメモに書く
  2. 画面から目を離して手を止めたら、そのつど時刻に印をつける
  3. 2時間後、印と印の間で最も長かった区間の時間を数える
  4. 60分を超えていれば、その区間の途中に小休止を1回入れる位置を決める

60分を超えた区間は、国の指針が示す1時間以内という目安を上回っている状態です。小休止は時刻で決めるより、メールを送信した後や1件の入力が終わった後など、すでにある作業の切れ目に結びつけると取りやすくなります。

 

休んでも戻らない疲れは相談につなげる

休憩の取り方と過ごし方を整えても、改善しない不調はあります。短い休憩で整うのは作業の連続による疲れで、目の度数が合っていないなど別の原因がある不調は、休憩を増やしても残ります。この章では、目の症状と体の痛み・疲れそれぞれの相談先と、休憩以外に見直したい作業環境と業務量を確認します。

この章のポイント
・目の不調が続くなら眼科で度数と乾きを調べる
・痛みやしびれ、慢性的な疲れは健康相談につなぐ
・画面の距離と照明、業務量も休憩と並べて見直す

目の不調が続くなら眼科で度数と乾きを確認

作業環境を整えても目の疲れが続く場合は、眼科で目の乾き、目の筋肉のはたらき、度数を調べることが勧められています。眼精疲労の原因はまばたきの減少だけではなく、眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないこと、エアコンの送風口の近くに座っていること、照明が明るすぎる・暗すぎること、姿勢の悪さも挙げられています。見え方が急に変わった場合や目の痛みを伴う場合は、画面作業の疲れと決めつけずに早めに受診してください。

国の指針も、画面作業に合った眼鏡の処方は眼科医が行うことが望ましいとしています。手元の画面と遠くを見るときでは合う度数が違うことがあり、見えにくさを我慢して目を細め続けると、目の周りの筋肉にも負担がかかります。

体の痛みやしびれは休憩で抱え込まない

首や肩のこり、腰痛、手指のしびれなどが軽くならずに続く場合は、休憩の工夫を重ねるより、職場の健康相談や医療機関に相談する段階です。国の指針は、画面作業をする人の健康診断で尋ねる自覚症状として次のようなものを挙げ、軽快せず続く場合は検査や専門医による精密検査につなぐとしています。

  • 目の疲れや見えにくさ
  • 首・肩のこり、頭痛
  • 背中の痛み、腰痛
  • 腕や手指の痛み・しびれ、手の脱力感
  • ストレスによる症状

職場は健康相談の機会を設けるよう努めることとされ、慢性的な疲労やストレスによる症状も相談の対象に含まれます。眠っても取れない疲れや気分の落ち込みが続く場合は、休憩の工夫を重ねる前に、産業医や保健師、医療機関に早めに相談してください。

画面の距離と照明、業務量も見直す

休憩と並行して画面までの距離や明るさ、業務量を見直すと、疲れの原因そのものを減らせる場合があります。国の指針が示す作業環境の目安は、画面までおおむね40cm以上、画面の上端が目の高さとほぼ同じかやや下、文字の高さおおむね3mm以上で、書類やキーボードの上の明るさ(照度)は300ルクス以上です。ルクスは、照らされた面の明るさを表す単位です。一例として、在宅勤務でノートパソコンを机に直接置くと画面が低くなりやすく、台で画面を上げて外付けのキーボードを使うと、この目安に近づけやすくなります。

指針は、業務量が作業する人の能力を超えると、休みたくても休めず、無理な連続作業をせざるを得なくなるとも述べています。休めないことは個人の意志だけの問題ではなく、業務量の調整として職場に相談できる事柄です。在宅勤務でも、職場と同じ水準の作業環境を整えることが望ましいとされています。

 

まとめ

マイクロブレイクを明日から試すなら、画面作業は1時間以内で区切って途中で1〜2分手を止め、目は20分ごとに20秒以上約6m先を見て、座りっぱなしは立ち上がって歩く休憩で区切るという3つを重ねるのが始めやすい形です。休憩中はスマートフォンから離れて過ごし、消耗が強い日は10分を超える休憩に切り替えるという判断の軸を持っておくと、短い休憩と長い休憩を使い分けやすくなります。

短い休憩で整うのは作業の連続による疲れです。目の症状が続くなら眼科、体の痛みやしびれ、眠っても取れない疲れは産業医や保健師、医療機関への相談に切り替えてください。休憩の取り方とは別に、目元の印象や肌の調子など見た目の悩みを相談したい場合は、カウンセリングをご利用ください。

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参考文献・出典

  • 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2021)、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート:成人版」(2024)
  • Albulescu P ほか「”Give me a break!” A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance」PLoS ONE(2022)
  • American Academy of Ophthalmology「Eye Strain and Sleepy Eyes: How to Prevent Eye Discomfort」(2023)、「Computers, Digital Devices, and Eye Strain」(2024)
  • Kang S ほか「Reach for your cell phone at your own risk: The cognitive costs of media choice for breaks」Journal of Behavioral Addictions(2019)
  • Duran AT ほか「Breaking Up Prolonged Sitting to Improve Cardiometabolic Risk: Dose-Response Analysis of a Randomized Crossover Trial」Medicine & Science in Sports & Exercise(2023)
  • Bull FC ほか「World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour」British Journal of Sports Medicine(2020)
  • Talens-Estarelles C ほか「The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule」Contact Lens and Anterior Eye(2023)

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