ルメッカは何回で効果を実感できる?シミ・赤み・ハリへの作用を徹底解説!

美容皮膚

「話題のルメッカを試してみたいけれど、一体何回受ければ、鏡を見るのが楽しみになるような肌になれるの?」など、シミやそばかす、気になる赤みを前に期待と少しの不安を抱えているのではないでしょうか。

WebサイトやSNSには「3回で効果実感」「5回が目安」といった情報が溢れていますが、実は、その回数だけを知っても、あなたの肌悩みが本当に解決するかは分かりません。なぜなら、美容医療の成否は、回数という数字以前の「本質」で決まるからです。

ここでは、単なる回数の目安を提示するだけに留まりません。なぜルメッカがシミや赤みに効果的なのかという科学的根拠から、同じ機械を使っても結果に差が出る理由、そして、あなたがルメッカを選ぶ前に絶対に知っておくべきリスクと、他の治療法との客観的な比較まで、専門家の視点で深く、そして正直に解説します。

 

そもそもルメッカとは?科学的根拠から紐解くIPL治療

「ルメッカは何回で効果が出るのか」という疑問に答える前に、まずはルメッカがどのような原理で肌に働きかけるのか、その本質を理解することが極めて重要です。ルメッカは「IPL(Intense Pulsed Light)」と呼ばれる光治療の一種であり、数あるIPL治療器の中でも特に優れた結果が期待できる先進的な機器として知られています。

なぜ、光を照射するだけでシミや赤みが改善し、ハリのある肌へと導かれるのでしょうか。ここでは、美容医療の根幹をなす光の特性から、ルメッカが持つ技術的優位性までを科学的な根拠に基づいて紐解いていきます。

IPL(光治療)とレーザー治療の根本的な違い

美容医療において「光」を使った治療は数多く存在しますが、その代表格が「IPL(光治療)」と「レーザー治療」です。この二つはしばしば混同されがちですが、その原理と特性は根本的に異なります。この違いを理解することが、ご自身の肌悩みに最適な治療法を選択する第一歩となります。

例えるなら、レーザー治療は「狙撃銃」のように、特定のターゲットのみをピンポイントで狙い撃つ治療です。これは、レーザー光が「単一波長」という、ただ一種類の色(波長)の光で構成されているためです。特定の波長は、特定の色素(例えばシミのメラニンなど)にのみ強く吸収される性質を持つため、周囲の正常な組織へのダメージを最小限に抑えながら、狙った病変だけを強力に破壊することが可能です。濃いシミやホクロ、アザなどの局所的な治療に非常に高い効果を発揮します。

一方で、IPLは「高性能なスポットライト」のように、より広い範囲に光を届ける治療です。IPLの光は、様々な色(波長)の光を束ねた「ブロードバンド光」であり、フィルターを用いて肌悩みに有効な波長域を取り出して照射します。これにより、シミ・そばかすの原因であるメラニン色素と、赤ら顔の原因であるヘモグロビンといった、複数の色素に同時にアプローチできます。

さらに、真皮層に熱エネルギーを届けることでコラーゲンの生成を促し、肌全体のハリやツヤ、キメを整えるといった複合的な効果も期待できます。顔全体の肌質を総合的に改善したい場合に適した治療法と言えるでしょう。

比較項目 IPL(光治療) レーザー治療
光の特性 複数の波長を束ねたブロードバンド光 単一の波長を持つ光
作用の仕方 面で照射し、マイルドに作用 点で照射し、強く作用
得意な悩み 顔全体の薄いシミ・そばかす、赤ら顔、ハリ・ツヤなど複合的な悩み 濃いシミ、ホクロ、アザなど局所的で明確なターゲット

ルメッカがシミと赤みに強い理由

数あるIPL治療器の中で、なぜルメッカが特に注目されているのでしょうか。その理由は、ルメッカが持つ独自の技術的優位性にあります。主に「有効な波長域の照射効率」と「高いピークパワー」という二つの科学的根拠が、その高い治療効果を支えています。

まず、IPL治療は光が皮膚内の特定の色素(ターゲット)に吸収され、熱エネルギーに変換されることで効果を発揮します。シミの原因であるメラニン色素と、赤ら顔の原因である毛細血管内のヘモグロビンが特に吸収しやすい光の波長域は、500nm〜600nmにあるとされています。

ルメッカは、搭載されたキセノンランプが発する光エネルギーのうち、実に約40%をこの最も治療効果の高い波長域に集中させる技術を持っています(出典: InMode社 技術資料)。これは従来のIPL治療器と比較して極めて高い効率であり、弱いエネルギー設定でもターゲットに対して的確に熱を届け、効果的な治療を可能にしています。

もう一つの重要な要素が「高いピークパワー」です。これは、ごく短い照射時間(パルス幅)で、いかに高いエネルギーの頂点(ピーク)を届けられるかという指標です。同じ熱量を与える場合でも、じっくりと時間をかけて熱を加えるよりも、一瞬で強力な熱を加える方が、ターゲットであるメラニンやヘモグロビンを効率的に破壊し、周囲の正常な組織への熱拡散(ダメージ)を最小限に抑えることができます。

この高いピークパワーにより、ルメッカは従来のIPLでは反応しにくかった薄いシミやそばかすに対しても、切れ味の良いシャープな効果が期待できるのです。この二つの技術的アドバンテージこそが、ルメッカが多くの肌悩みに応えることができる科学的な理由です。

 

ルメッカの推奨回数は何回?お悩み別の効果実感の目安

ルメッカがもつ科学的な優位性をご理解いただいたところで、次はいよいよ最も気になるであろう「具体的に何回治療を受ければ、望む効果が得られるのか」という疑問にお答えします。美容医療は、時間も費用も要する投資です。だからこそ、治療を始める前に、ゴールまでの道のりを具体的にイメージしておくことは非常に重要です。

ここでは、多くの臨床データに基づいた標準的な治療計画(プロトコル)と、シミや赤みといった個々のお悩み別に、効果を実感し始めるまでの回数の目安を具体的に提示します。ご自身の肌状態と照らし合わせながら、治療計画の参考にしてください。

多くの臨床で推奨される治療プロトコル

ルメッカによる治療効果を最大限に引き出すため、多くの医療機関では標準的な治療プロトコルが確立されています。結論から述べると、3~5回を1クールとし、3~4週間に1回の頻度で治療を継続することが一般的に推奨されています。

一見、機械的に設定された期間のように思えるかもしれませんが、この「3~4週間ごと」という治療間隔には、肌の生理機能に基づいた明確な理由があります。それが、肌の生まれ変わりのサイクルである「ターンオーバー」です。

私たちの肌は、表皮の一番奥にある基底層で新しい細胞が生まれ、それが徐々に表面へと押し上げられていき、最終的に古い角質となって自然に剥がれ落ちるというサイクルを繰り返しています。この一連のプロセスがターンオーバーであり、その周期は健康な肌でおおよそ28日とされています(ただし、年齢や肌状態によって40日~50日と長くなる傾向にあります)。

ルメッカの光エネルギーによって破壊されたシミの原因であるメラニン色素は、このターンオーバーの働きによって、新しい細胞と共に肌の表面へと押し上げられ、垢として体外へ排出されていきます。そのため、ターンオーバーの周期に合わせて次の治療を行うことが、肌への負担を抑えながら最も効率的に治療効果を積み重ねていくための鍵となるのです。回数を重ねることで、肌の土台から徐々にコンディションを向上させていく、それがIPL治療の基本的な考え方です。

【早見表】あなたの悩みは何回で?効果の目安

標準的な治療計画を念頭に置きつつ、ここではより具体的なお悩み別に、推奨される回数の目安や効果の現れ方について解説します。ご自身の肌悩みがどのケースに当てはまるか、一つの指針としてご覧ください。

お悩み 推奨回数の目安 効果を実感し始める目安 ゴールの目安
シミ・そばかす 3回~6回 1~2回目(黒浮きと排出) メイクで隠す必要がなくなる
赤ら顔・ニキビ跡の赤み 3回~5回 2~3回目(徐々に赤みが引く) 肌全体の赤みが均一になる
肌全体のハリ・ツヤ・毛穴 5回以上 3回目以降(肌質の変化) 化粧ノリが良くなり、キメが整う

シミ・そばかすの場合、比較的早い段階で効果を実感しやすいのが特徴です。施術後数日で、シミが一時的に濃くなったように見える「マイクロクラスト」と呼ばれる微細なかさぶたが形成されます。これは光に反応したメラニンが肌表面に浮き上がっているサインであり、効果が出ている証拠です。

このマイクロクラストは7日~10日ほどで自然に剥がれ落ち、下の皮膚はトーンアップしていることが確認できます。このプロセスを繰り返すことで、コンシーラーでも隠しきれなかったシミが目立たなくなっていきます。

赤ら顔やニキビ跡の赤みは、皮膚の浅い層にある毛細血管が原因です。ルメッカの光は、この血管内のヘモグロビンに反応して血管を収縮させ、赤みを徐々に軽減させます。シミのように色素が剥がれ落ちるわけではないため、効果の実感は比較的緩やかですが、回数を重ねるごとに肌全体の赤みが引き、均一でクリアな肌印象へと変化していくでしょう。

肌全体のハリ・ツヤ、毛穴の引き締めといった肌質改善の効果は、真皮層への熱作用によるコラーゲン産生の促進によってもたらされます。肌内部の再構築には時間を要するため、効果を体感し始めるのは3回目以降となることが多いです。しかし、一度改善されると、化粧ノリが格段に良くなったり、内側から発光するようなツヤが出たりと、肌質の根本的な向上を実感できるはずです。

ただし、この表はあくまで一般的な目安です。実際の効果の現れ方や必要な回数は、個々の肌質、シミや赤みの濃さ・深さ、そして新陳代謝の能力によって大きく左右されることをご理解ください。

 

ルメッカの回数を問う前に!3つの本質とリスクも知っておこう

お悩み別の推奨回数の目安をご覧になり、ご自身の肌がどのように変化していくのか、具体的なイメージが湧いてきたかもしれません。しかし、ここで一度立ち止まって考えていただきたい重要なことがあります。それは、提示された回数をただこなすだけで、誰もが等しく理想の肌を手に入れられるわけではない、という厳然たる事実です。

ルメッカ治療の成否は、回数という数字以上に、治療を取り巻く「本質的な要素」に大きく左右されます。ここでは、治療効果を最大化し、後悔しない選択をするために絶対に知っておくべき3つの本質と、医療行為である以上避けて通れないリスクについて、深く掘り下げていきます。

そのシミは本当にルメッカで消えるタイプ?肝斑悪化のリスク

シミ治療の成否は、どの機械を選ぶか、何回治療を受けるか、といった議論の以前に、治療前の「正確な診断」でその9割が決まると言っても過言ではありません。一言で「シミ」と言っても、その正体は一つではありません。紫外線が主な原因でできる「老人性色素斑」、遺伝的要因の強い「そばかす(雀卵斑)」、そして特に注意を要する「肝斑(かんぱん)」など、その種類は多岐にわたります。

これらの中で、ルメッカ(IPL治療)が最も得意とするのは、老人性色素斑やそばかすです。しかし、もしそのシミが肝斑であった場合、話は大きく変わってきます。

肝斑は、女性ホルモンのバランスの乱れや、摩擦などの慢性的な物理刺激によってメラノサイトが活性化することで生じると考えられており、非常にデリケートな性質を持っています。そのため、安易に強い光エネルギーを照射すると、かえって刺激となりメラノサイトがさらに活性化し、シミが濃くなってしまう「増悪」のリスクをはらんでいるのです。

実際、臨床現場では老人性色素斑と肝斑が混在しているケースも非常に多く、その鑑別診断には専門的な知識と経験が不可欠です。自己判断で「私のシミはそばかすだからルメッカが合うはず」と決めつけてしまうのは、極めて危険な行為と言わざるを得ません。安全かつ効果的な治療への第一歩は、高性能な機械を探すことではなく、専門医による診察を受け、自身のシミの正体を正確に突き止めることから始まります。

なぜ同じ機械で結果に差が?

「最新の高性能マシンであるルメッカを導入しているクリニックなら、どこで受けても同じ結果が得られる」というのは、実はよくある誤解の一つです。ルメッカはあくまで優れた性能を持つ「道具」であり、そのポテンシャルを最大限に引き出すのは、それを扱う「施術者」の知識と技術に他なりません。

例えるなら、最高級の食材を用意しても、調理人の腕前によって料理の味が全く異なるのと同じです。施術者は、患者様一人ひとりの肌状態に合わせて、光のエネルギーの強さ(フルエンス)、照射時間(パルス幅)、冷却設定といった、無数に存在するパラメータの中から最適な組み合わせを導き出さなくてはなりません。

その重要な判断基準の一つとなるのが、世界的な皮膚の分類基準である「フィッツパトリックのスキンタイプ」です。これは、肌の色や紫外線に対する反応(日焼けした際に赤くなるか、すぐ黒くなるか等)によって肌をⅠ~Ⅵの6段階に分類するものです。

例えば、色白で赤くなりやすいスキンタイプⅠの方と、色黒で日焼けしやすいスキンタイプⅣの方とでは、同じシミ治療であっても、効果を出しつつ火傷のリスクを避けるためのエネルギー設定は全く異なります。

これらのパラメータを、スキンタイプ、シミの濃さ、肌の厚み、その日のコンディションまで考慮して微調整する作業は、まさに職人技です。効果を最大化し、安全性を確保するその絶妙なバランスは、施術者の深い解剖学的知識と豊富な臨床経験によってのみ実現されます。

クリニックを選ぶ際には、導入されている機械の名称だけでなく、施術を担当する医師や看護師の経験・症例数にも着目することが、賢明な選択と言えるでしょう。

起こりうるリスクと頻度について

どのような医療行為にも、ベネフィット(利益)とリスク(不利益)が共存します。ルメッカも例外ではなく、その高い効果の裏側で、起こりうる副作用について正しく理解しておくことは、治療を受ける上での責務とも言えます。

熱傷(やけど)・水疱

最も注意すべき副作用ですが、発生頻度は極めて稀です。過度に日焼けした肌への照射や、不適切なエネルギー設定が主な原因となります。信頼できる医療機関では、施術前の肌色チェックや厳格なプロトコル遵守により、このリスクを最小限に抑えています。

炎症後色素沈着

施術による熱エネルギーが皮膚の炎症を引き起こし、その結果として一時的にシミが濃くなったり、新たな色素沈着が生じたりする状態です。特にアジア人の肌質では起こりやすいとされています。しかし、これは多くの場合一過性のもので、適切なアフターケア(特に徹底した紫外線対策と保湿)を行えば、通常3~6ヶ月程度で自然に軽快していきます。

赤み・ほてり感

これらは施術後の正常な反応であり、ほとんどの場合、数時間から長くとも24時間以内には治まります。施術直後にクリニックで行うクーリングや鎮静パックにより、症状は大幅に緩和されます。

これらのリスクをゼロにすることはできません。しかし、専門知識を持つ医療機関では、施術前の丁寧なカウンセリングから、施術中の細やかな設定調整、そして万が一トラブルが発生した際の迅速なアフターフォロー体制まで、あらゆるプロセスを通じてリスクを限りなく低減するための対策を徹底しています。

 

【目的別・適応比較】ルメッカとピコレーザーって結局どちらが良い?

治療の成否が、回数以前の「診断」や「施術者の技術」に大きく依存することをご理解いただけた今、次なる焦点は「自身の肌悩みに最も適した治療法は何か」という点でしょう。美容医療、特にシミ治療の分野でルメッカ(IPL)と比較検討されることが多いのが「ピコレーザー」です。

どちらもシミやくすみに効果を発揮するため、その違いが分からず迷われる方も少なくありません。ここでは、ルメッカとピコレーザーの根本的な作用原理の違いから紐解き、それぞれが得意とすること、そしてどのような目的を持つ方に適しているのかを客観的な視点で徹底比較します。この比較を通じて、ご自身のゴールに到達するための最適な道筋が見えてくるはずです。

得意なこと苦手なこと

ルメッカとピコレーザー、この二つの治療法は「光で色素に働きかける」という点では共通していますが、そのアプローチ、すなわち作用機序が根本的に異なります。この違いが、それぞれの得意・不得意を生み出しています。

ルメッカ(IPL)の作用機序:「光熱作用(Photothermal effect)」

ルメッカは、メラニンやヘモグロビンといった特定の色素に光を吸収させ、それを熱エネルギーに変換することでターゲットにダメージを与えます。

これは、黒い紙が太陽光で熱くなる原理と同じです。穏やかな熱でじっくりと作用させるため、肌全体への負担が少なく、複合的な効果が期待できます。

ピコレーザーの作用機序:「光音響効果(Photoacoustic effect)」

一方、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い時間でレーザーを照射し、ターゲットとなる色素に衝撃波を発生させます。

この衝撃波によって、色素を物理的に細かく粉砕するのが特徴です。熱の発生がごくわずかなため、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えながら、強力な破壊力を発揮します。

この作用機序の違いを理解した上で、以下の比較表と解説をご覧ください。

比較項目 ルメッカ(IPL) ピコレーザー(トーニング/スポット)
得意な悩み 顔全体の薄いシミ・そばかす、赤ら顔、ハリ 濃いシミ、ADM、肝斑、タトゥー除去
作用の仕方 面(顔全体をマイルドに改善) 点(特定のターゲットを強く破壊)
総合評価 複合的な肌悩みを総合的に改善したい方向け 特定の濃いシミをピンポイントで取りたい方向け

ルメッカ(IPL)が適しているケース

ルメッカの最大の強みは、その対応範囲の広さにあります。様々な波長を含む光を用いるため、シミの原因であるメラニンと、赤ら顔の原因であるヘモグロビンの両方に同時にアプローチが可能です。

さらに、真皮層に届く熱エネルギーは線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの生成を促進します。これにより、肌のハリやツヤ、キメの乱れ、毛穴の開きといった、肌質の総合的な改善が期待できます。

したがって、「シミも気になるけれど、顔全体の赤みやくすみも何とかしたい」「肌にハリと透明感を取り戻したい」といった、複合的な肌悩みを抱えている方にとって、ルメッカは非常に優れた選択肢となります。顔全体を「面」として捉え、肌全体のコンディションを底上げしていく治療と言えるでしょう。

ピコレーザーが適しているケース

ピコレーザーの強みは、その圧倒的な破壊力とターゲットの正確性にあります。衝撃波で色素を砕くため、ルメッカのような光治療では反応しにくい、輪郭のはっきりした濃いシミ(老人性色素斑)に対して、非常に高い効果を発揮します。また、レーザーの光は皮膚の深い層(真皮)まで到達するため、アザの一種であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の治療も可能です。

特に重要なのが肝斑への適応です。ピコトーニングと呼ばれる低出力での照射モードは、熱の発生を最小限に抑えながらメラニン色素だけを少しずつ破壊していくため、肝斑を悪化させるリスクが低く、現在の肝斑治療における主要な選択肢の一つとされています。

「とにかくこの濃いシミを一つ取りたい」「医師から肝斑やADMと診断された」といった、明確なターゲットがあり、それを「点」として集中的に治療したい場合には、ピコレーザーが第一選択となるでしょう。

最終的にどちらの治療法が最適かは、前章で述べた通り、専門医による正確な診断に基づいて判断されるべきです。ご自身の希望を医師に伝え、肌の状態を正しく評価してもらった上で、最適な治療計画を立てることが重要です。

 

ルメッカのダウンタイム!「ほぼ無い」の真実と正しい過ごし方

ご自身の肌悩みに適した治療法が見え、その効果とリスクについてもご理解いただけたところで、最後に懸念されるのは施術後の生活への影響、すなわち「ダウンタイム」についてではないでしょうか。ルメッカはしばしば「ダウンタイムがほとんどない、手軽な治療」と紹介されます。

しかし、その言葉の真意を正しく理解しておくことが、施術後の不安を解消し、安心して治療期間を過ごすための鍵となります。ここでは、ダウンタイムのほぼ無しという言葉の裏にあるリアルな肌の経過を時系列で解説するとともに、治療効果を無駄にしないための正しい術後ケアについて、具体的にお伝えします。

施術後のリアルな肌経過

「ダウンタイムがほとんどない」と言われる主な理由は、レーザー治療後のようなテープによる保護が不要で、施術当日からメイクをして帰宅できる点にあります。

日常生活への支障が極めて少ないのは事実ですが、肌の内部では光エネルギーによる反応が確かに起きており、それに伴う見た目上の変化は存在します。過度な期待や不要な心配を防ぐため、施術後から肌が落ち着くまでの一般的なプロセスを事前に把握しておきましょう。

施術直後~当日

照射直後は、光の熱エネルギーによって、多くの場合は肌に赤みが生じ、ヒリヒリとしたほてり感を伴います。これは皮膚が正常に反応している証拠であり、施術後に行うクーリング(冷却)によって大部分は緩和されます。

赤みやほてり感は、通常数時間から長くとも当日中には自然に治まります。メイクは可能ですが、肌は非常にデリケートな状態にあるため、ファンデーションを塗る際もこすらず、優しく押さえるように塗布することが推奨されます。

施術後1日~3日頃

施術の翌日あたりから、シミやそばかすがあった部分に変化が現れます。光エネルギーに反応したメラニン色素が、肌のターンオーバーによって表面に押し上げられ、黒い砂粒のような、あるいは薄いかさぶたのような「マイクロクラスト」が形成されるのです。

一時的にシミが濃くなったように見えるため驚かれるかもしれませんが、これは治療が奏功している極めて良好なサインです。このマイクロクラストは、絶対に無理に剥がしたり、スクラブ洗顔などでこすったりしないでください。

施術後3日~10日頃

マイクロクラストは、日々の洗顔やスキンケアの過程で、自然にポロポロと剥がれ落ちていきます。無理に剥がすと炎症後色素沈着の原因となりかねないため、あくまで自然に脱落するのを待つことが重要です。

すべてが剥がれ落ちるまでの期間には個人差がありますが、一般的には7~10日程度です。マイクロクラストが取れた後の肌は、多くの場合、シミが薄くなっているか、ワントーン明るい状態になっていることを実感できるでしょう。

治療効果を無駄にしないための術後ケア

クリニックでの施術が成功したとしても、その後のセルフケアを怠れば、得られるはずだった効果が半減してしまったり、思わぬ肌トラブルを招いたりする可能性があります。

ルメッカの治療効果は、クリニックでの施術とご自身の術後ケア、その両輪があって初めて最大化されるのです。以下の3つのポイントを徹底し、治療効果を確実なものにしましょう。

徹底した保湿

施術後の肌は、熱の影響で水分が蒸発しやすく、非常に乾燥しやすい状態にあります。乾燥は、外部の刺激から肌を守る「バリア機能」の低下を招きます。

この状態で肌を放置すると、さらなる肌トラブルの原因となりかねません。普段以上に、化粧水や美容液、クリームなどを用いて入念な保湿を心がけてください。その際、肌に刺激の少ない敏感肌向けの製品を選ぶとより安心です。

厳格な紫外線対策

術後ケアにおいて、保湿と並んで最も重要と言えるのが紫外線対策です。施術後のデリケートな肌は、紫外線に対して極めて無防備な状態です。この時期に無防備に紫外線を浴びてしまうと、メラノサイトが過剰に刺激され、かえってシミが濃くなる「炎症後色素沈着(PIH)」を引き起こすリスクが著しく高まります。

外出時はもちろん、室内であっても日焼け止め(SPF30・PA++以上推奨)を必ず塗布し、帽子や日傘なども活用して物理的にも紫外線を遮断することが賢明です。

処方薬の正しい使用と刺激の回避

医療機関によっては、炎症を抑えるための外用薬や、色素沈着を予防するための内服薬(ビタミンC、トラネキサム酸など)が処方されることがあります。これらは医師の指示に従い、用法・用量を守って正しく使用してください。

また、マイクロクラストが剥がれ落ちるまでは、ピーリング効果のあるスキンケア製品やスクラブ入りの洗顔料の使用は避け、肌への物理的な刺激を極力与えないよう心がけましょう。

 

まとめ

ここでは、ルメッカの効果を実感するための回数の目安から、その科学的根拠、さらには治療の成否を分ける本質的なポイントまでを解説してきました。シミ・そばかすなら3回以上、赤みなら3~5回、ハリ・ツヤ改善なら5回以上というのが一つの目安です。

しかし、最も重要なメッセージは、この回数はあくまで一般的なプロトコルに過ぎない、ということです。あなたのシミが本当にルメッカに適した種類なのかという「正しい診断」、肌質や状態に合わせた「最適な出力設定」、そして術後の「適切なセルフケア」。これら全てが揃って初めて、ルメッカは真価を発揮します。

大切なのは、回数という数字に捉われることではありません。あなたの肌と真摯に向き合い、リスクもきちんと説明した上で、最適な治療計画を提案してくれる専門家を見つけることです。

もしあなたが本気で肌質を改善したいと願うなら、まずは一度、専門のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の肌の状態を正確に知ることから始めてみませんか。その一歩が、理想の肌への最も確実な近道となるはずです。

アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。

LINE公式アカウントにて、お気軽に24時間カウンセリングや予約を受付しております。無料カウンセリングで初めての方やお悩みの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

関連記事