「クマ取りの相談で脂肪注入を勧められたけど、本当に必要なのかな…」そんな不安を抱えていませんか?目の下のクマを改善したいと思ってクリニックに相談したら、脱脂だけでなく脂肪注入も必要だと言われて戸惑っている方は少なくありません。
太ももから脂肪を吸引する必要があることや、しこりができるリスク、長いダウンタイムなど、気になる点は山ほどありますよね。そもそも脂肪注入なしでは本当にきれいにならないのか、費用に見合った効果があるのか、判断に迷うのも当然です。ここでは、クマ取りにおける脂肪注入について、メリットだけでなくデメリットやリスクも含めて医師の視点から徹底解説します。

国立熊本大学医学部を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2023年アラジン美容クリニックを開院。長年の実績とエイジングケア研究で博士号取得の美容医療のプロ。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様とともに「オンリーワン」を目指す。
クマ取りにおける脂肪注入とは?基本を理解しよう!
目の下のクマに悩んでクリニックを訪れたとき、「脂肪注入も一緒にやりましょう」と提案されて驚いた経験はありませんか?実は、クマ取りの治療において脂肪注入は重要な選択肢の一つです。
しかし、その必要性や効果については人それぞれ異なるため、まずは基本的な知識を身につけることが大切です。ここでは、脂肪注入の仕組みから適応症例まで、わかりやすく解説していきます。
脂肪注入の仕組みと目的
脂肪注入によるクマ取りは、あなた自身の体から採取した脂肪を目の下に移植する治療法です。主に太ももや腹部から少量の脂肪を吸引し、特殊な処理を施した後、目の下の凹んだ部分に注入していきます。
この治療の最大の目的は、脱脂(目の下の余分な脂肪を取り除く手術)後に生じやすい凹みやくぼみを改善することです。若い頃はふっくらしていた目の下も、加齢とともに脂肪が減少し、骨格が目立つようになります。脂肪注入は、この失われたボリュームを補い、なめらかで若々しい目元を取り戻すための方法なのです。
注入する脂肪には主に2つのタイプがあります。コンデンス脂肪は、遠心分離機で不純物を取り除いた純度の高い脂肪で、定着率が高いという特徴があります。
一方、ナノファット(きめ細かな脂肪)は、特殊な器具で脂肪を細かく砕いたもので、皮膚の浅い層にも注入でき、青クマや赤クマといった色素系のクマにも効果を発揮します。医師は患者さんの症状に応じて、これらを使い分けたり、組み合わせたりして最適な治療を行います。
クマの種類と脂肪注入の適応
クマには大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ原因と適切な治療法が異なります。
黒クマは、目の下の脂肪が前に突出することで影ができ、黒く見えるタイプです。主にたるみが原因で、脱脂手術が第一選択となります。青クマは、皮膚が薄く血管が透けて見えることで生じ、血行不良も関与しています。茶クマは、色素沈着が原因で、こすりすぎや紫外線の影響で起こります。
脂肪注入が特に効果を発揮するのは、脱脂後の凹みやくぼみ、ゴルゴライン(目頭から頬にかけての溝)、そして青クマや赤クマなどの色素系クマです。脂肪に含まれる成長因子が皮膚の質を改善し、血管の透けを目立たなくする効果も期待できます。
脂肪注入のデメリット・リスクとは?正直に解説してみます!
ここまで脂肪注入の基本的な仕組みや適応について理解していただけたかと思います。しかし、どんな治療にもメリットがあればデメリットも存在します。特に脂肪注入は自分の体から脂肪を採取して移植するという、やや複雑な手術です。
「本当に安全なの?」「失敗したらどうなるの?」という不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、脂肪注入のデメリットやリスクについて、医療現場の実情を踏まえながら包み隠さずお伝えします。正しい知識を持つことで、より納得のいく治療選択ができるはずです。
考えられるリスク1|しこりのリスクと発生メカニズム
脂肪注入で最も心配されるリスクの一つが「しこり」の発生です。せっかくクマを改善しようと思って受けた治療で、目の下にしこりができてしまっては本末転倒ですよね。
しこりができる主な原因は、一箇所への大量注入と医師の技術不足です。脂肪細胞が生着するためには、周囲の組織から栄養を受け取る必要があります。しかし、一度に大量の脂肪を注入すると、中心部の脂肪細胞に栄養が行き渡らず、壊死してしまいます。この壊死した脂肪が線維化することで、硬いしこりとなってしまうのです。また、注入の深さや分散が不適切な場合も、同様の問題が起こりやすくなります。
ただし、術後の硬さについては時期による判断が重要です。術後1ヶ月程度の硬さは、炎症反応による正常な経過であることがほとんどです。注入された脂肪が周囲の組織となじむ過程で、一時的に硬くなることは珍しくありません。しかし、3ヶ月を過ぎても硬さが残る場合は要注意です。この時期を過ぎても改善しない硬さは、しこりとして残存する可能性が高くなります。
しこりを予防するためには、いくつかの方法があります。まず、ナノファット(きめ細かな脂肪)の使用です。細かく砕かれたナノファットは、より均一に分散しやすく、しこりのリスクを軽減できます。また、少量ずつ複数の層に分けて注入する技術も重要です。経験豊富な医師は、0.1ccずつといった極少量を、扇状に広げながら注入していきます。この丁寧な手技により、脂肪が均等に分散され、生着率も向上します。
考えられるリスク2|定着率の現実
脂肪注入を検討している方にとって、もう一つの大きな関心事が「定着率」です。残念ながら、注入した脂肪の約半分は体に吸収されてしまうというのが現実です。これは決して失敗ではなく、脂肪注入という治療の性質上、避けられない現象なのです。
定着率は、クリニックによって前後しますが、一般的に50-70%程度とされていますが、これには個人差があります。定着率に影響する要因として、まず注入部位が挙げられます。目の下は比較的血流が豊富な部位のため、他の部位と比べると定着率は良好な傾向にあります。
次に体質も重要な要素です。喫煙者や糖尿病の方は血流が悪く、定着率が低下する傾向があります。また、術後のケアも定着率を左右します。術後1週間は安静にし、極端なダイエットや激しい運動は避ける必要があります。
では、定着した脂肪はその後どうなるのでしょうか。実は、一度定着した脂肪は半永久的に残存します。10年後、20年後も、定着した脂肪細胞は生き続け、ボリュームを保ってくれます。これがヒアルロン酸注入との大きな違いです。
ただし、加齢による自然な変化は避けられません。周囲の組織が老化すれば、注入した脂肪も一緒に下垂していきます。それでも、何もしない場合と比べれば、明らかに若々しい目元を維持できるでしょう。
その他考えられるリスク
脂肪注入には、しこりや定着率以外にも知っておくべきデメリットがあります。
まず懸念されるのが、顔が少しふっくらとなるリスクです。「クマは改善したいけど、顔がなんか大きくなった気がする」という声をよく聞きます。確かに、過剰な脂肪注入は顔の印象を変えてしまう可能性があります。特に、もともと顔に脂肪が多い方や、頬骨が張っている方は注意が必要です。適切な注入量は個人差が大きく、一般的には片側0.1cc~0.5cc程度ですが、医師の審美眼と技術力が問われる部分です。
また、忘れてはいけないのが太ももなどからの脂肪吸引の必要性です。目の下への注入量は少量でも、安全に採取するためにはある程度の範囲から吸引する必要があります。これにより、目の下だけでなく太ももにも少しはダウンタイムが発生します。内出血や痛み、圧迫固定の必要性など、想定していなかった負担に驚く方も少なくありません。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
効果の持続性 | 半永久的(定着した分) | 50-70%程度しか定着しない |
安全性 | 自己組織のためアレルギーなし | しこりのリスクあり |
自然さ | 非常に自然な仕上がり | 過剰注入で顔が大きくなる可能性 |
手術の負担 | 1回の手術で完了 | 脂肪吸引も必要 |
ダウンタイム | – | 目の下+吸引部位で長期化 |
これらのデメリットを理解した上で、それでも脂肪注入のメリットが上回ると判断できる場合に、この治療を選択することが大切です。医師とよく相談し、あなたにとって最適な治療法を見つけていきましょう。
脂肪注入のダウンタイムと術後経過の解説
脂肪注入のメリット・デメリットを理解していただいた上で、次に気になるのは「実際どのくらい休みが必要なの?」「いつから普通の生活に戻れるの?」という具体的なダウンタイムの問題ではないでしょうか。
特に脂肪注入を伴うクマ取りは、目の下だけでなく脂肪を採取する部位にもダウンタイムが発生するため、思っていたより回復に時間がかかることがあります。仕事や大切な予定がある方にとって、このダウンタイムは治療を決断する上で重要な判断材料となるでしょう。
術後日数 | 目の下の状態 | 太ももの状態 |
---|---|---|
当日〜3日 | 強い腫れ・内出血出現 | 痛み最強・圧迫固定開始 |
4日〜1週間 | 腫れピーク後改善傾向 | 痛み軽減・内出血拡大 |
1〜2週間 | 腫れ7-8割改善 | 圧迫固定終了・内出血黄変 |
2〜4週間 | 細かい腫れ・硬さ残存 | 内出血消失・軽い運動可 |
1〜3ヶ月 | 硬さ改善・形態安定 | 完全回復 |
ここでは、部位別のダウンタイムから仕事復帰の目安まで、実際の経過を詳しく解説していきます。
脂肪吸引部位のダウンタイム
前述で少し触れましたが、目の下への脂肪注入で見落としがちなのが、脂肪を採取する部位のダウンタイムです。「目の下の治療なのに、なぜ太ももが痛いの?」と驚く方も少なくありません。
脂肪採取は主に太ももの内側や外側から行われます。採取時は細い管(カニューレ)を使用するため、傷跡は3-5mm程度と小さいものの、皮下では想像以上に広範囲の処置が行われています。このため、術後は筋肉痛のような鈍い痛みが1週間程度続きます。痛みのピークは術後2-3日で、処方される鎮痛剤で十分コントロール可能なレベルです。
内出血については個人差が大きく、ほとんど出ない方もいれば、太もも全体が紫色になる方もいます。内出血は通常1-2週間で黄色く変色し、その後完全に消失します。また、術後は圧迫固定が必要で、専用のガードルやストッキングを1週間程度着用することになります。これは腫れを最小限に抑え、皮膚の凸凹を防ぐために重要な処置です。
日常生活への影響として、歩行は手術当日から可能ですが、階段の昇り降りや長時間の立ち仕事は3-4日程度控えた方が良いでしょう。
目の下(注入部位)のダウンタイム
脂肪注入を行った目の下のダウンタイムは、脱脂のみの場合と比べて長引く傾向があります。これは二つの処置が重なることで、組織へのダメージが大きくなるためです。
腫れのピークは術後2-3日で、この時期は「お岩さん」のような状態になることも珍しくありません。しかし、1週間後には腫れの7-8割が引き、2週間後にはほぼ通常の状態に戻ります。ただし、完全に腫れが引いて最終的な仕上がりが分かるまでには、3-6ヶ月程度かかることを理解しておく必要があります。
内出血は脱脂のみの場合より強く出る傾向があり、目の下から頬にかけて紫色や黄色の変色が見られます。個人差はありますが、完全に消失するまでに2-3週間かかることもあります。また、注入した脂肪による硬さや凸凹感が1ヶ月程度続くことがありますが、これは正常な経過であり、時間とともに自然になじんでいきます。
仕事復帰までの目安は?
「いつから仕事に復帰できますか?」これは患者さんから最もよく受ける質問の一つです。答えは職種や職場環境によって大きく異なります。
デスクワーク中心の方は、体への負担が少ないため、術後4-5日で復帰可能です。ただし、目の下の腫れや内出血は残っているため、マスクとメガネでカバーすることをお勧めします。最近はテレワークの普及により、1週間程度在宅勤務をしてから出社される方も増えています。
接客業や営業職の方は、人前に出る機会が多いため、最低でも1週間、できれば10日程度の休暇を取ることをお勧めします。メイクである程度カバーできるようになるのは1週間後からですが、至近距離で見られると違和感を持たれる可能性があります。
肉体労働の方は、太ももの回復も考慮する必要があり、2週間程度の休養が理想的です。重い物を持ったり、しゃがんだりする動作は、脂肪吸引部位に負担をかけ、回復を遅らせる可能性があります。
カバー方法として、マスクは必須アイテムです。コロナ禍以降、マスク着用が自然になったことは、美容医療を受ける方にとって追い風となりました。メイクについては、術後1週間からコンシーラーやファンデーションでのカバーが可能になります。ただし、強くこすらないよう注意が必要です。
ダウンタイムを短縮するためのケアとして、術後48時間の適切なアイシングが重要です。ただし、脂肪の生着を妨げないよう、冷やしすぎには注意しましょう。また、頭を高くして寝ることで、腫れの軽減が期待できます。食事面では、塩分を控え、ビタミンCやタンパク質を積極的に摂取することで、回復を促進できます。禁煙・禁酒も回復を早めるために重要な要素です。
脂肪注入によるクマ取りは、確かにダウンタイムが長めの治療です。しかし、適切な計画と準備をすれば、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。大切なのは、無理をせず、体の声に耳を傾けながら回復を待つことです。
そもそも脂肪注入はクマ取り施術に本当に必要?
ここまで脂肪注入の詳細なダウンタイムについて説明してきましたが、「目の下と太もも、両方のダウンタイムを乗り越えてまで、本当に脂肪注入は必要なの?」と疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。
実際、クリニックで「脂肪注入も一緒にやりましょう」と勧められても、それが営業トークなのか、本当に必要な提案なのか判断に迷うことがあります。結論から言えば、脂肪注入が必要かどうかは人それぞれ。あなたの年齢、クマの状態、顔の骨格などによって最適な治療法は変わってきます。
ここでは、脂肪注入が本当に必要なケースとそうでないケースを明確にし、他の治療法との比較も交えながら、あなたにとって最適な選択ができるよう解説していきます。
クマ取りで脂肪注入が必要なケース
脂肪注入によるクマ取りが特に効果的で、積極的に検討すべきケースがいくつかあります。これらに該当する場合は、ダウンタイムや費用を考慮してもなお、脂肪注入のメリットが大きいと言えるでしょう。
まず、脱脂後の凹みが予想される場合です。これは主に30代後半以降の方や、もともと目の下の脂肪が少ない方に該当します。加齢により皮膚の弾力が低下していると、脂肪を取り除いた後に皮膚が縮まらず、かえって老けた印象になってしまうことがあります。術前の診察で医師が皮膚をつまんだり、引っ張ったりして弾力性をチェックするのはこのためです。「脱脂だけでは凹んでしまいますね」と言われた場合は、素直に脂肪注入を検討することをお勧めします。
次に、ゴルゴライン付近の溝が深い場合も脂肪注入の良い適応です。ゴルゴラインとは、目頭から頬にかけて斜めに走る溝のことで、疲れた印象や老けた印象を与える大きな要因となります。この溝は骨格的な問題が大きく、脱脂だけでは改善できません。脂肪注入により溝を埋めることで、目の下から頬にかけての移行部がなめらかになり、若々しい印象を取り戻すことができます。
また、青クマ・赤クマなどの色クマがある場合も、脂肪注入が有効です。これらの色クマは、皮膚が薄く血管が透けて見えることが原因です。ナノファットを皮膚の浅い層に注入することで、皮膚に厚みを持たせ、血管の透けを目立たなくすることができます。さらに、脂肪に含まれる成長因子により、皮膚の質そのものが改善される効果も期待できます。色クマに悩む方にとって、脂肪注入は根本的な解決策となる可能性があります。
脂肪注入が必ずしも必要ではないケース
一方で、脂肪注入を行わなくても十分な効果が得られるケースも多く存在します。無駄な治療を避けるためにも、これらのケースを理解しておくことは重要です。
軽度の膨らみのみの20代の方は、多くの場合、脱脂のみで満足のいく結果が得られます。若い世代は皮膚の弾力性が保たれているため、脂肪を取り除いても皮膚が自然に収縮し、凹みが生じにくいのです。また、この年代では脂肪の突出も軽度なことが多く、少量の脱脂で十分な改善が見込めます。「念のため脂肪注入も」と勧められても、まずは脱脂のみで様子を見ることをお勧めします。
皮膚のたるみが少ない場合も、脂肪注入は不要なことが多いです。皮膚のたるみは、つまんでみて厚みや弾力を確認することである程度判断できます。ピンと張りのある皮膚であれば、脂肪を取り除いても美しいラインを保つことができます。逆に言えば、皮膚のたるみが主な原因の場合は、脂肪注入よりも皮膚を引き締める別の治療法を検討すべきかもしれません。
脂肪注入を成功させるための5つのポイント
ここまで読み進めていただいた方は、脂肪注入が自分にとって必要かどうか、ある程度判断がついたのではないでしょうか。もし「やはり脂肪注入を受けてみたい」と思われたなら、次に重要なのは、いかにして成功率を高めるかということです。
せっかく決心して受ける治療ですから、最高の結果を得たいと思うのは当然のこと。実は、脂肪注入によるクマ取りの成功は、医師選びから始まり、術後のケアまで、あなた自身の選択と行動に大きく左右されます。
ここでは、私が医療現場で見てきた成功例・失敗例を踏まえ、脂肪注入を成功に導くための5つの重要なポイントをお伝えします。これらのポイントを押さえることで、満足度の高い治療結果を得られる可能性が格段に高まるはずです。
信頼できる医師の選び方
脂肪注入の成否を最も大きく左右するのは、間違いなく医師の技術力と経験です。どんなに最新の機器や高品質な材料を使っても、医師の腕が伴わなければ良い結果は得られません。では、どのようにして信頼できる医師を見つければよいのでしょうか。
まず確認すべきは症例数と経験年数です。ホームページやSNSで症例写真を多数公開していたり、症例の豊富な医師は、自信の表れと考えてよいでしょう。ただし、写真の加工や良い症例のみの掲載という可能性もあるため、カウンセリング時に実際の症例アルバムを見せてもらうことも大切です。
次に重要なのは、すべての治療法に精通している医師を選ぶということです。脂肪注入しか行わない医師は、どうしても脂肪注入を勧めがちです。一方、脱脂、脂肪注入、ヒアルロン酸注入、裏ハムラ法など、様々な選択肢を持つ医師であれば、あなたに最適な治療法を客観的に提案してくれるはずです。
「うちは脂肪注入が専門だから」という医師より、「あなたの場合は○○の理由で脂肪注入が最適です」と説明してくれる医師の方が信頼できます。カウンセリングで確認すべきポイントは以下の通りです。
- リスクやデメリットも包み隠さず説明してくれるか
- 質問に対して明確で分かりやすい回答があるか
- 無理な勧誘や即決を迫らないか
- 術後のフォロー体制が整っているか
- 万が一のトラブル時の対応方針が明確か
特に「絶対大丈夫」「リスクはありません」といった過度に楽観的な説明をする医師は避けた方が賢明です。優秀な医師ほど、リスクについても正直に説明し、それをいかに最小限に抑えるかを具体的に話してくれるものです。
適切な脂肪の選択(CRF・ナノファット)
脂肪注入の技術は日々進化しており、使用する脂肪の種類や加工方法も多様化しています。適切な脂肪を選択することは、しこりのリスクを減らし、定着率を高める上で極めて重要です。
CRF(Condensed Rich Fat)は、遠心分離機を使って不純物や水分を取り除き、純度の高い脂肪細胞だけを濃縮したものです。通常の脂肪と比べて定着率が高く、注入量も少なくて済むため、顔が大きくなるリスクを軽減できます。ただし、粒子が大きいため、皮膚の浅い層への注入には適さず、主に深い凹みの改善に使用されます。
一方、ナノファットは、特殊な器具で脂肪を細かく粉砕したもので、まるでクリームのような滑らかさが特徴です。粒子が非常に細かいため、皮膚の浅い層にも安全に注入でき、しこりのリスクが大幅に低下します。青クマや赤クマなど、皮膚の質感改善が必要な場合に特に有効です。また、脂肪に含まれる成長因子の効果も期待でき、肌のハリやツヤの改善にもつながります。
症状に応じた使い分けとしては、深い凹みにはCRF、浅い層の改善にはナノファット、両方の問題がある場合は層を分けて両方を使用する、というのが基本的な考え方です。優秀な医師は、あなたの症状を詳しく診察した上で、最適な脂肪の種類と注入方法を提案してくれるはずです。
脂肪注入の術後ケアで定着率を上げる方法
せっかく質の高い脂肪を注入しても、術後のケアが不適切では良い結果は得られません。脂肪の定着率を最大限に高めるためには、特に術後1週間の過ごし方が重要です。
この期間は、注入された脂肪細胞が新しい血管とつながり、栄養供給を受け始める大切な時期です。安静を心がけ、激しい運動や長時間の入浴は避けましょう。顔を下に向ける姿勢も、重力で脂肪が移動する可能性があるため控えめに。睡眠時は枕を高くして、頭部を少し上げた状態を保つことで、腫れの軽減と脂肪の安定に役立ちます。
避けるべき行動として最も重要なのは禁煙です。喫煙は血管を収縮させ、脂肪細胞への血流を阻害します。これにより定着率が大幅に低下し、最悪の場合、注入した脂肪の大部分が壊死してしまうこともあります。術前2週間から術後1ヶ月は完全禁煙を守ってください。
極端なダイエットも避けるべきです。急激な体重減少は、注入した脂肪も一緒に減少させてしまいます。術後3ヶ月程度は体重を維持し、脂肪が安定してからダイエットを検討しましょう。また、過度の冷却も要注意です。腫れを抑えるための適度な冷却は有効ですが、長時間の冷却は脂肪細胞を傷つける可能性があります。
定着率を高める生活習慣として推奨されるのは、バランスの良い食事と適度な水分摂取です。特にタンパク質とビタミンCは、組織の修復と新しい血管の形成に不可欠です。また、質の良い睡眠も重要で、成長ホルモンの分泌により組織の再生が促進されます。軽いマッサージは1ヶ月後から開始可能ですが、強い圧迫は避け、優しくなでる程度に留めましょう。
まとめ
ここまで、クマ取りにおける脂肪注入について詳しく解説してきました。最も重要なのは、脂肪注入は全ての人に必須の治療ではないということです。20代で軽度のクマなら脱脂のみで十分な場合も多く、逆に30代以降で凹みが強い場合は脂肪注入を併用した方が自然な仕上がりになることがあります。
脂肪注入には、しこりのリスクや定着率、太もも脂肪吸引による追加のダウンタイムなど、知っておくべきデメリットも存在します。これらのリスクと、長期的な効果のメリットを天秤にかけて、冷静に判断することが大切です。
一つのクリニックの意見だけで決めるのではなく、複数の医師にセカンドオピニオンを求めることをお勧めします。脂肪注入、ヒアルロン酸注入、裏ハムラ法など、様々な選択肢の中から、あなたの症状や希望、ライフスタイルに最も適した治療法を見つけてください。まずは信頼できる医師を見つけ、じっくりとカウンセリングを受けることから始めましょう。
アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。
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