唇ヒアルロン酸のしこりはいつまで?実測データと2週間の境界

美容医療

唇のヒアルロン酸注入後にできるしこりとは、注入部位に生じる硬さやこぶ状の膨らみの総称であり、多くは注入部位反応と呼ばれる想定内の経過に含まれるものです。

国内で承認され、口唇増大を使用目的に含むジュビダームビスタボルベラXCの臨床試験では、唇へ初めて注入した被験者の大多数がこぶ状の膨らみを自覚しており、そのうちおよそ半数は1週間以内に、およそ3分の2は2週間以内に区分が変わると記録されています。この分布は集団の記録であり、一人ひとりの経過を保証するものではありませんが、期間の目盛りとして押さえておく価値があります。

一方で、注入から2週間以降に新しく現れる、あるいは強まっていくしこりは、遅発性結節と呼ばれる別の枠組みで扱われます。同じ「しこり」という言葉でも、いつ現れたかによって経過観察でよいのか、相談が必要なのかの判断が変わるため、時間軸で整理して見ていくことが欠かせません。

本記事は医師監修のもと、唇への注入を対象とした実測データをもとに、しこりが消えるまでの期間の目安、現れた時期による見分け方、自宅でできる確認の手順、そして注入を避けるべき人や医療機関に確認しておきたい体制までを整理しています。

 

唇のしこりが続く期間の実測データ

唇への注入後にできるしこりが「いつまで続くのか」という問いには、唇を対象とした臨床試験の実測データで答えることができます。結論として、こぶ状の膨らみを自覚した人のうち、およそ半数は1週間以内に、およそ3分の2は2週間以内に持続の区分が変わっています。

この章では、その分布の中身と、同じ「しこり」でも数え方が異なる2つの指標を整理します。

この章のポイント
・約半数が1週間以内に区分変化
・こぶ感と結節は数え方が別物
・2週間が経過観察の分かれ目

注入後30日間の記録が示す持続期間

唇への初回注入後、腫瘤やこぶ状の膨らみを自覚した人は87.9%(138/157)にのぼり、しこり感そのものは例外的な事故ではなく、臨床試験の段階から想定されていた反応であることがわかります。

持続期間を1週間・2週間の区切りで読むと、1〜3日で23.9%、4〜7日で24.6%が区分を終えており、合わせておよそ半数が1週間以内に該当します。8〜14日の17.4%を加えると、2週間以内でおよそ3分の2に達する計算です。比較として、硬さ(硬化)は88.5%に生じ、1〜3日の時点ですでに38.1%が区分を終えており、こぶ状の膨らみよりも早く落ち着く傾向がうかがえます。

唇への初回注入後、被験者が30日間の日誌に記録した反応の分布は次のとおりです。

反応(発現率) 1〜3日 4〜7日 8〜14日 15〜30日
腫瘤・こぶ(87.9%) 23.9% 24.6% 17.4% 34.1%
硬化(88.5%) 38.1% 28.1% 18.7% 15.1%
腫脹(93.0%) 47.3% 33.6% 13.7% 5.5%

いずれの割合も、その症状が出た人を分母とした値であり、日誌の記録期間が30日間であるため、30日を超えて続いた事象はこの表では分けて確認できません。米国での臨床試験によるデータであり、日本人を対象とした試験ではない点も踏まえておきたいところです。

こぶ感と結節は別の数字

同じ「しこり」という言葉でも、患者が日誌に記録した「こぶ感」と、医師が有害事象として報告した「結節」とでは、数字の大きさがまったく異なります。

唇への初回注入で87.9%に記録された腫瘤・こぶは、被験者本人が毎日の日誌に自覚を記入したものです。一方、別の製剤を用いて唇の豊満化を対象とした無作為化比較試験(試験群183例・対照群87例)では、医師が有害事象として登録した注入部位結節は試験群5%・対照群7%にとどまり、多くが自然に消え、期間の中央値はおよそ2週間、重度と評価された事象はなかったと報告されています。

この2つは製剤も異なり、数えている対象そのものも異なります。

前者は本人の自覚を記録したもの、後者は診察による有害事象の登録であり、数えている対象そのものが違います。したがって、「9割にしこりができる」と読むのも「しこりは5%しか起きない」と読むのも、どちらも正確ではありません。

2週間が経過観察の分かれ目

注入後2週間という時点は経験則ではなく、遅発性結節という別の枠組みの定義そのものに使われている境界です。

遅発性結節は「注入後少なくとも2週間以降に生じる結節または硬結」と定義されています。つまり、2週間以内に生じて縮小に向かっているしこりと、2週間を過ぎてから新しく現れた、あるいは強まっていくしこりとでは、見た目が似ていても扱いが変わります。

国際的な専門家によるコンセンサスでは、注入から1〜2週間で炎症が現れる場合は細菌の関与が示唆される一方、実際には現れるまでの遅れがそれよりかなり長いことのほうが多いとも記載されています。この境界は診断を確定させるものではなく、相談のタイミングを判断するための目盛りとして理解しておくとよいでしょう。

注入を受けた日をカレンダーに記録し、2週間が経過した時点で自分のしこりの状態を一度書き留めておくと、その後の変化を比べる基準になります。

 

しこりの正体は現れた時期で分かれる

前章で示した「2週間」という境界を踏まえると、次に気になるのは、自分のしこりがどちらの側にあるのかという判定です。しこりの正体は、原因の種類そのものよりも、いつ現れたかという時間軸で整理すると見分けやすくなります。

この章では、時間スケールを3つの層に分けて、それぞれの背景を示します。

この章のポイント
・2週間以内は想定内の反応
・2週間以降は遅発性結節の枠組み
・年単位の腫瘤は別の時間軸

遅発性結節は、専門家によるコンセンサスで次の3つに分類されています。

分類 現れる時期の目安 主な背景 主に検討される対応
主にフィラー関連 2週間以降 フィラーの再分布 分解酵素の使用
主に炎症性 2週間以降 遅延型過敏反応 炎症を抑える治療
主に感染性 2週間以降 細菌の関与 感染に対する治療

この分類は診断を確定するものではなく、相談の際に何を確認するかを整理するための見取り図として使うものです。

2週間以内は注入部位反応

注入後2週間以内に現れる硬さやこぶ状の膨らみは、注入部位反応として臨床試験でも記録される想定内の経過です。

針が組織を通り、粘性のあるゲルが粘膜内や皮下に入る以上、一時的な腫れやむらが生じること自体は避けられない現象です。唇は皮膚が薄く可動性の高い部位であるため、少量の変化でも輪郭の違いとして自覚されやすい傾向があります。

別の観察研究(62例)でも、腫れは91.9%の症例で「なし」または「わずか」と評価され、腫れそのものは5〜6日以内にすべて消失したと報告されています。この時期のしこりは、注入した製剤が組織になじんでいく過程を見ている可能性があり、最終的な形の判定をこの段階で急ぐ必要はありません。

2週間以降は遅発性結節

注入後2週間以降に新しく現れる、あるいは赤みや腫れを伴って強まっていくしこりは、遅発性結節という別の枠組みで扱われます。

別の報告では、フィラーの再分布や遅延型過敏反応、バイオフィルム、肉芽腫などが遅発性結節の背景として挙げられています。カテゴリーによって検討される対応の方向が変わるため、「そのうち引くはず」と自己判断で決めつけないことが実務的です。唇への注入を含む症例では、注入から6か月後に症状が現れた例も報告されていますが、これは3例の症例集積であり、頻度の根拠として読むことはできません。

年単位で現れる異物肉芽腫

さらに長い時間軸として、注入から年単位を経て現れる腫瘤や結節も報告されています。

唇への充填材注入後にみられた遅発性の腫瘤や肉芽腫を集めた29研究・68例のシステマティックレビューでは、発現までの平均期間は34.4か月(発症時期の記録があった55例が対象)と報告されています。ただし、この68例で使われていた材料の内訳はシリコンが31.8%(21/66)と最も多く、ヒアルロン酸は21.2%(14/66)にとどまっており、ヒアルロン酸に特有の数値として読み替えることはできません。

同じレビューでは、抗菌薬やステロイド、外科的な処置を組み合わせることで、61.8%(42/68)が消失または寛解に至ったとも報告されています。症例報告を集めたものであるため、母数となる発生率そのものは算出できない点も踏まえておく必要があります。

過去に受けた唇への注入の時期と使用された製剤名は、メモとして残しておくと、時間軸で振り返る際の手がかりになります。

 

消えないしこりへの対応と限界

期間の目安と時期による見分け方を踏まえると、次に気になるのは「2週間を超えて残る場合、何ができるのか」という点です。

この章では、経過観察が選ばれる場面と、溶解注射で確かめられている範囲、そして自宅でできるセルフチェックの手順を整理します。

この章のポイント
・縮小方向なら経過観察が中心
・溶解注射は対象部位に限りあり
・セルフチェックは相談判断の目安

経過観察が選ばれる場面

痛みや赤み、熱感を伴わず、2週間以内に始まって縮小方向にあるしこりは、経過観察が選ばれることが多い状態です。

唇を対象とした無作為化比較試験では、注入部位結節の多くが自然に消え、その期間の中央値はおよそ2週間、重度と評価された事象はなかったと報告されています。あわせて、製剤の添付文書(製造販売会社が国の承認を受けて作成する公式の説明書)に記載された別の臨床試験では、6例の被験者で処置から数週間後または数か月後に腫脹や腫瘤が現れましたが、いずれも軽度または中等度で後遺症なく消失し、処置に関連した重篤な有害事象はなかったと記録されています。

経過観察とは何もしないことではなく、縮小しているか、変わらないか、大きくなっているかという変化の方向を記録し続けることです。縮小していない場合や、新しい症状が加わった場合は、経過観察の対象から外れると考えておくとよいでしょう。

溶解注射で確かめられている範囲

ヒアルロン酸を分解する酵素の注射(溶解注射)は、しこりへの対応として広く用いられていますが、確かめられている範囲には限りがあります。

無作為化比較試験による有効性の確認は5件・53名にとどまり、対象は前腕・上腕・背部の皮膚に注入された、合併症を伴わないヒアルロン酸の結節でした。一方で、顔面の皮膚でのヒアルロン酸除去や、過剰な補正の修正、炎症を伴う結節の管理については、無作為化比較試験・臨床試験・後ろ向き症例対照研究のいずれの形でもエビデンスが確認されていません。

つまり「唇のしこりが必ず溶ける」という保証はない一方で、「効かない」という意味でもなく、臨床では中心的な選択肢であり続けています。酵素そのものに対する過敏反応が起こることもあるとされ、処置自体にもリスクがある点は押さえておきたいところです。使用する製剤が国内で承認を受けたものかどうかは製品によって異なりうるため、事前に医療機関へ確認しておくとよいでしょう。

唇のしこりセルフチェック手順

自宅でのセルフチェックは医学的な診断ではなく、連絡すべきかどうかを判断するための目安です。一例として、次のような手順が考えられます。

  1. 注入日をカレンダーに記入し、今日が何日目かを数える
  2. 毎日同じ時間帯に正面と斜め45度から唇を撮影し、前日と並べて見る
  3. 清潔な指の腹でしこりの位置と大きさを確かめ、前日より大きいか小さいかだけを記録する(強く押さない・揉まない)
  4. 赤み・熱感・痛み・唇以外への広がりの有無を確認する
  5. 体温を測って記録する

3で3日続けて縮小していない場合、4のいずれかが新たに出た場合、または注入から2週間以降に新しくしこりが出た場合は、施術を受けた医療機関に連絡することが目安になります。揉む・押しつぶす・針を当てるといった自己処置は行わないでください。

マッサージでしこりが改善するという根拠は示されていないため、自己判断で行わず、施術した医療機関の指示を確認することをおすすめします。唇の色が白っぽく変化する、強い痛みが続く、皮膚に網目状の斑紋が出るといった変化があれば、様子を見ずに直ちに連絡する状況です。

撮影した写真と体温の記録は、そのまま診察時に持参すると、医師への説明がスムーズになります。

 

注入を避けるべき人と製剤の前提

期間の目安や時期による見分け方、対応の限界を踏まえると、次に確認しておきたいのは、そもそも誰が施術の対象になり、誰が対象外なのかという前提です。

この章では、添付文書が定める禁忌と使用量の上限、そして唇のボリューム形成における他の選択肢を整理します。

この章のポイント
・過敏症の既往は禁忌に該当
・年間使用量には上限がある
・恒久的変化には別の選択肢

添付文書が定める禁忌と未確立の対象

ジュビダームビスタボルベラXCの添付文書では、特定の成分に過敏症の既往歴がある人への使用が禁忌とされ、炎症や感染のある部位への使用は警告で禁じられています。

  • 本品の成分またはアミド型局所麻酔剤に過敏症の既往歴がある人
  • グラム陽性菌由来蛋白に過敏症の既往歴がある人
  • 炎症反応や感染がある部位(口唇ヘルペスなど)

妊婦・産婦・授乳婦への安全性および有効性は確立していないと記載されています。また、既に他の充填材で治療した部位への注入は、臨床試験による安全性および有効性が確立されていないとも記載されており、他院で受けた注入歴を申告する必要がある理由につながっています。

有害事象の項目には「小結節、数珠状小隆起、肉芽腫」が明記されており、しこりは添付文書の上でも想定された事象として位置づけられています。アレルギー素因や出血傾向がある人も慎重使用の対象とされているため、既往歴と服薬の申告が施術の前提になります。

使用量の上限と再処置の考え方

添付文書では、患者1人当たりの年間使用量が体重60kg当たり20mLを上限とすると定められています。

上限が定められている以上、短期間に繰り返し量を足していく設計は取れません。最適な効果のために微調整の補足注入(タッチアップ処置)が行われる場合があり、臨床試験では初回処置のおよそ1か月後に実施されています。「足りないからすぐ足す」のではなく、反応が落ち着いてから判定するという順序が、使用量の上限と持続期間の分布の両方から導かれます。

初回処置後と再処置後で、腫瘤・こぶの出方は次のように変わります。

区分 発現率 1週間以内に消失 15〜30日継続
初回処置後 87.9% 48.5% 34.1%
再処置後 85.0% 60.8% 24.5%

解析の対象は初回157例・再処置120例であり、同じ人を追跡して比べた数値ではない点に留意してください。

唇のボリューム形成の他の選択肢

ヒアルロン酸注入以外にも、唇のボリュームや形を変える方法として、外科的な手術や自家組織を用いる方法があります。

ヒアルロン酸注入は形を一時的に変える方法であり、効果の持続には限りがあります。ボルベラXCの臨床試験では、口唇充足度スケールで平均1点以上の改善を示した割合が、1か月時点で86.2%、3か月時点で80.3%、12か月時点で65.3%と記録されています。恒久的な形の変更を望む場合は、繰り返しの注入ではなく、別の手法が検討対象になります。過敏症の既往により注入が禁忌に該当する場合も、他の選択肢を含めて検討する必要があります。

次回の注入や別の施術を検討する際は、変えたいのが唇の「量」なのか「形」なのかを、相談の前に言葉にしておくと選択肢を絞りやすくなります。

 

しこりを前提に医療機関を確認する

禁忌や使用量の前提を踏まえると、最後に整理しておきたいのは、しこりが起きうることを前提に、医療機関がどこまでの体制を備えているかという確認です。

この章では、血管トラブルへの備え、未承認の薬剤に関する確認事項、相談前に書き出しておきたいリストを示します。

この章のポイント
・血管トラブルには時間の猶予あり
・承認状況は確認する行動に落とす
・確認リストを紙に書き出す

血管トラブルへの備えを確認する

唇の注入で最も重い事象は血管系のトラブルであり、対応までの時間的な猶予が結果を左右します。

添付文書の警告の第一項には「血管内に注入しないこと」とあり、血管閉塞や塞栓、虚血、梗塞などの原因になることがあると記載されています。重大な有害事象として、まれに血管内注入や組織圧迫に起因する一過性または非可逆性の失明、脳卒中を誘発するとも記載されています。虚血による皮膚組織の障害を防ぐうえでは、異変に気づいてからできるだけ早く分解酵素を使用することが求められるとされています。

時間的な猶予が限られている以上、分解酵素を院内に常備しているか、血管への誤注入の兆候と生じた場合の対処法を把握しているか、施術時間外に異常が起きた場合の連絡先があるかは、事前に確認できる項目です。唇に限定した発生頻度を示す数値は公表されていないため、事前に確認できる体制のほうに目を向けておく必要があります。

未承認の薬剤と救済制度の確認

美容目的の自由診療で使う薬や材料、機器は、法律で承認などがされていない場合があると公的機関が注意喚起しています。

したがって、注入する製剤と、しこりに使う分解酵素の双方について、承認を受けたものかどうかを確認するという行動が成立します。あわせて、原則として決められた用法・用量などに従って使用されていない場合は、救済の対象にならないとも示されています。この確認は医療機関を疑うためのものではなく、想定外のことが起きたときに何が使えるかを事前に知っておくためのものです。承認状況や入手経路について説明を求めても答えが返ってこない場合は、判断を保留する材料になります。

相談前に書き出す確認リスト

公的機関は、施術前に確認しておきたい項目として、次の4点を挙げています。

  • 使用する薬などがどのようなものか、自分でも説明できるか
  • 効果だけでなくリスクや副作用についても知り、納得したか
  • ほかの施術方法や選択肢の説明も受け、自分で選択したか
  • その施術は「今すぐ」必要か

これに加えて、使用する製剤の名称と承認の有無、しこりが出た場合の対応方針、分解酵素の院内常備と施術時間外の連絡先、過去に他の充填材を注入した部位の申告、年間使用量の上限を踏まえた次回以降の間隔なども、実務的な確認項目として挙げられます。

「絶対にしこりはできません」といった説明だけが返る場合、添付文書に記載された事象と整合していない可能性があります。費用に言及される場合は、一般的な目安として示される金額に加えて、しこりが出た場合の再診や処置が含まれるかを確認しておくとよいでしょう。

確認したい項目を紙に書き出したうえで、池袋本院のカウンセリングで直接尋ねてみるのも一つの方法です。

 

唇ヒアルロン酸しこりいつまでによくある質問

唇のヒアルロン酸注入後のしこりについて、特によく寄せられる質問に要点だけをまとめてお答えします。

唇のヒアルロン酸のしこりはいつまで続きますか

唇の臨床試験では、約半数が1週間以内、約3分の2が2週間以内に消えており、2週間超は相談の目安です。

唇のしこりは自分で揉んでつぶしてもよいですか

自己判断でのマッサージや圧迫の有効性は確認できていないため行わず、施術した医療機関に確認してください。

溶解注射をすれば唇のしこりは必ず消えますか

有効性が確認された試験の対象は腕や背中の皮膚で、顔や炎症を伴う結節では同水準の根拠がありません。

注入から半年後に出てきたしこりは注入と関係がありますか?

2週間以降に生じる遅発性結節という枠組みがあり、数か月後に出た例も報告されているため自己判断せず相談してください。

唇のしこりが左右で違うのですが問題ありますか?

注入直後は分布が均一になる過程で差が出ることがありますが、拡大していく場合は相談の対象です。

 

まとめ

唇のヒアルロン酸注入後のしこりは、記録上およそ半数が1週間以内、およそ3分の2が2週間以内に区分が変わっており、2週間という境界は遅発性結節の定義そのものに使われています。しこりの正体は、原因の種類よりもいつ現れたかという時間軸で捉えると見分けやすく、2週間以内・2週間以降・年単位という3つの層で意味が変わります。

これらの数値は集団の記録であって個人の経過を保証するものではなく、日誌の記録が30日間である以上、その先まで続いた経過は分けて確認できません。溶解注射は臨床で中心的な選択肢である一方、唇や顔面での有効性を同じ水準で確かめた試験はまだ確認されていないという事実も、あわせて押さえておきたいところです。自分でできることは、しこりを押したり揉んだりすることではなく、変化の方向を記録し続けることです。

経過が想定の範囲に収まっているか判断がつかない場合や、これから施術を検討する場合は、池袋本院のカウンセリングで、記録した写真や体温のメモをもとに相談してみるのも一つの方法です。

アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。

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参考文献・出典

  • ジュビダームビスタ ボルベラXC 添付文書(アラガン・エステティックス/アッヴィ合同会社。使用目的は皮内注入による顔面のしわの修正、皮下から骨膜上の深部注入による顔面のへこみ修正、口唇粘膜内/皮下注入による口唇増大。年間使用量は体重60kg当たり20mLを上限。成分またはアミド型局所麻酔剤・グラム陽性菌由来蛋白への過敏症の既往、炎症・感染のある部位は使用不可。有害事象に小結節、数珠状小隆起、肉芽腫を記載)
  • Weiss R ほか「A Randomized, Controlled, Evaluator-Blinded, Multi-Center Study of Hyaluronic Acid Filler Effectiveness and Safety in Lip Fullness Augmentation」(Dermatologic Surgery、2021年。別製剤を用いた48週の評価者盲検試験。注入部位結節は試験群5%・対照群7%、大半が軽度で重度なし、多くが自然消失し期間の中央値はおよそ2週間)
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  • Wang R ほか「Hyaluronic acid filler-induced vascular occlusion—Three case reports and overview of prevention and treatment」(Journal of Cosmetic Dermatology、2024年)
  • 「その美容医療、ちょっと待って!」(厚生労働省)

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