インモードとハイフの違いとは、使用するエネルギーの種類とアプローチする皮膚層にあります。インモードはRF(高周波)エネルギーで脂肪層・真皮層に作用し、脂肪の減少と肌質改善を同時に促す施術です。
一方、ハイフはHIFU(高密度焦点式超音波)によってSMAS筋膜を60〜75℃程度に加熱し、筋膜レベルからのリフトアップを引き出します。どちらが優れているかという問いに意味はなく、悩みが「脂肪によるフェイスラインのもたつき」なのか「加齢による筋膜のゆるみ・たるみ」なのかによって、適切な施術は変わります。
ここでは、両施術の仕組みと効果の違いを起点に、費用・痛み・ダウンタイムの比較、そして悩みのタイプ別の選び方まで整理します。

国立熊本大学医学部を卒業。国内大手美容クリニックなどで院長を歴任し、2023年アラジン美容クリニックを開院。長年の実績とエイジングケア研究で博士号取得の美容医療のプロ。「嘘のない美容医療の実現へ」をモットーに、患者様とともに「オンリーワン」を目指す。
インモードとハイフはどんな仕組みで違うのか
インモードとハイフの本質的な違いは、使用するエネルギーの種類ではなく、「どの皮膚層に、どのように熱を届けるか」というアプローチの設計にあります。
インモードはRFエネルギーで真皮層と脂肪層に広く作用し、ハイフは超音波を一点に集束させてSMAS筋膜という深部構造を狙い打ちにします。この根本的な違いが、それぞれの「得意な効果」の違いに直結しています。以下では、各施術の仕組みを皮膚の層構造から順に解説します。
この章のポイント
・インモードはRFで真皮層〜脂肪層に広範囲アプローチ
・ハイフは超音波でSMAS筋膜にピンポイント加熱
・アプローチ層が異なるため、得意な悩みも異なる
インモードが脂肪層と真皮層に同時にアプローチできる理由
インモードがフェイスラインの脂肪と肌質を同時にケアできるのは、FormaとMiniFXという2種のハンドピースが異なる皮膚層を担当しながら連携する設計によるものです。
インモードは、イスラエルのInMode社(2008年創業、Yokne’am, Israel)が開発した医療機器です。同社はRFエネルギーを用いた非侵襲的な美容医療機器の分野で世界的な実績を持ちます。日本のクリニックでは「インモードリフト」「インモードVリフト」などの名称で、FormaとMiniFXを組み合わせた施術として提供されることが一般的です。
2つのハンドピースはそれぞれ働きかける層が明確に分かれており、その組み合わせによって表層から深部まで複合的な改善を目指す点がこの施術の特徴です。
Formaは真皮層を40〜43℃に加熱してコラーゲン生成を促す
Formaは、RFエネルギーを均一に照射し、皮膚の真皮層を40〜43℃の範囲で持続的に加熱するハンドピースです。InMode社の機器仕様においてカットオフ温度は43℃に設定されており、リアルタイムの温度モニタリングによって安全な範囲内で最大限の加熱を維持します。この温度域は、コラーゲンやエラスチンの生成が活性化されると臨床的に認められています。
加熱の仕組みは、電極間にRFエネルギーを均一に流すことで皮膚内部に摩擦熱を発生させるものです。皮膚表面を傷つけることなく真皮深部に熱を届けられるため、施術直後からメイクが可能で、ダウンタイムはほぼ生じません。施術中の感覚は「温かいマッサージのような感覚」と表現する方が多く、痛みへの懸念が少ない方にも受け入れられやすい施術です。
MiniFXは吸引と高電圧パルスで脂肪細胞のアポトーシスを誘導する
MiniFXは、RF加熱・2000Vナノ秒パルス電圧(RF HPV)・吸引という3つの作用を組み合わせたハンドピースです。皮膚を吸引しながら照射することで脂肪層への熱の到達効率が高まり、Formaよりも深部の脂肪細胞にアプローチできる設計になっています。
高電圧パルス(RF HPV)の役割は、加熱によって組織の電気的閾値が下がった状態で細胞膜に作用し、脂肪細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導することです。破壊された脂肪細胞は体内の代謝過程で自然に排出されるため、脂肪吸引のような物理的な除去とは異なる作用機序といえます。
また、MiniFXにはバイポーラ型RFエネルギーの照射機能も備わっており、脂肪層へのアプローチと同時に皮膚の引き締め効果も期待できます。フェイスラインや顎下の「もたつき」に悩む方に対し、単なるたるみではなく脂肪そのものを減らすアプローチができる点が、インモードの大きな特長です。
ハイフが表皮を傷つけずにSMAS筋膜まで届く理由
ハイフが「切らないフェイスリフト」と呼ばれるのは、超音波エネルギーを通過する組織には熱を発生させず、焦点を結んだ一点にのみ高密度のエネルギーを集中させることで、表皮を傷つけることなく皮膚の最深部に位置する筋膜を直接加熱できるためです。
ハイフの正式名称はHIFU(High Intensity Focused Ultrasound:高密度焦点式超音波)です。もともとはがん治療のために開発された超音波技術が美容医療に転用され、外科的なフェイスリフト手術でしかアプローチできなかった筋膜層への非侵襲的な作用を可能にしました。
SMAS筋膜のゆるみが顔のたるみの根本原因になる
SMAS筋膜(Superficial Musculo-Aponeurotic System:表在性筋膜系)は、皮下脂肪層の下に位置し、表情筋を薄く覆うコラーゲン性の膜状構造です。顔の皮膚は浅い方から「表皮・真皮・皮下脂肪・SMAS筋膜・表情筋」という層構造になっており、SMAS筋膜は皮膚全体を支える土台の役割を担っています。
加齢とともにSMAS筋膜が緩むと、その上に乗っている皮下脂肪と皮膚も重力に抗えなくなり、ほうれい線・口角のたるみ・フェイスラインの崩れとして顔の表面に現れます。美容外科のフェイスリフト手術が長年この筋膜を直接操作して行われてきたのは、たるみの根本原因がここにあるためです。ハイフはこの筋膜層に対して非侵襲的にアプローチできる、現時点では数少ない施術のひとつです。
表皮を傷つけずに深部を加熱できる超音波集束のメカニズム
ハイフが皮膚表面を傷つけない理由は、超音波エネルギーが通過する層には熱を発生させず、焦点部位にのみエネルギーを集中させる「集束」の原理にあります。ちょうど虫眼鏡で太陽光を一点に集めて発熱させるイメージに近く、焦点以外の組織への影響はほとんどありません。
焦点部位の温度は60〜75℃程度に達し(複数の医療機関・臨床報告に基づく)、この熱によってSMAS筋膜を構成するコラーゲンタンパク質が熱変性・収縮します。この即時的な収縮が、施術直後に感じられる引き締め感の正体です。さらに、熱ダメージを受けた組織が創傷治癒の過程でコラーゲンとエラスチンを新生するため、2〜3か月かけて徐々にリフトアップ効果が高まるという特徴があります。
カートリッジの種類を変えることで照射深度(1.5mm〜4.5mmが一般的)を調整でき、真皮層からSMAS筋膜まで複数の層に段階的にアプローチすることも可能です。機種によって到達できる深さや照射方式(ドット型・リニア型)が異なるため、何を目的とした施術かによって適切な機器の選択も変わってきます。
インモードとハイフの効果・費用・痛みを比較する
前章で確認した通り、インモードとハイフはアプローチする皮膚層がそもそも異なります。そのため、期待できる効果の内容も、かかるコストも、施術中の感覚も、すべてにわたって違いが生じます。
「どちらが効果的か」という問いよりも、「自分の悩みに対してどちらが有効か」を判断する材料を揃えることが重要です。この章では、効果・費用・痛み・ダウンタイムを具体的な数値とともに整理します。
この章のポイント
・効果の方向性が異なる(脂肪減少 vs リフトアップ)
・インモードは通院回数が多く、ハイフは間隔が長い
・費用はトータルコストで比較するのが現実的
効果の違いは脂肪へのアプローチかリフトアップかで決まる
インモードは脂肪細胞の減少と真皮層のコラーゲン生成を同時に促し、ハイフはSMAS筋膜を熱凝固させることで顔全体のたるみを引き上げます。つまり、改善できる悩みの「種類」が異なります。
インモードが主に作用するのは皮下脂肪層と真皮層です。MiniFXによる脂肪細胞のアポトーシス誘導によってフェイスラインの輪郭が変化し、Formaによるコラーゲン生成促進で肌のハリと質感が同時に改善されます。複数回の施術を重ねるごとに効果が蓄積するため、通院を続けるなかで変化を実感するケースが多い施術です。
ハイフの主な効果はSMAS筋膜の引き締めによるリフトアップです。施術直後からコラーゲンの熱収縮による軽微な引き締めを感じることがありますが、創傷治癒の過程で新しいコラーゲンとエラスチンが生成されるピークは施術後2〜3か月とされています。たるみやほうれい線など、筋膜のゆるみに起因する悩みに対して特に有効です。
以下に、主要な比較項目を一覧で示します。
| 比較項目 | インモード(Forma+MiniFX) | ハイフ(HIFU) |
|---|---|---|
| 使用エネルギー | RF(高周波) | HIFU(高密度焦点式超音波) |
| 主なアプローチ層 | 真皮層〜皮下脂肪層 | SMAS筋膜(皮下脂肪層の下) |
| 主な効果 | 脂肪減少・肌質改善・引き締め | 筋膜リフトアップ・たるみ改善 |
| 効果のピーク | 複数回施術の蓄積で向上 | 施術後2〜3か月後 |
| 効果の持続期間 | 維持施術により長期持続 | 6か月〜1年程度(個人差あり) |
| 施術時間 | 30〜60分程度 | 30〜90分程度(部位・機種により異なる) |
| 推奨施術頻度 | 2〜4週間に1回 | 3〜6か月に1回 |
| 推奨回数 | 4〜8回程度 | 効果に応じて継続 |
| 費用相場(1回) | 2〜6万円程度 | 2〜15万円程度 |
| 痛みの程度 | 温感・軽い熱感が主体 | 部位によって鋭い響く感覚あり |
| 内出血リスク | 吸引により生じやすい | 比較的低い |
| ダウンタイム | ほぼなし | ほぼなし |
表で見ると、2つの施術は効果の方向性だけでなく、通院ペースやコスト構造も大きく異なることがわかります。どちらが自分のライフスタイルに合うかという観点も、施術選びの現実的な判断軸のひとつです。
費用相場と通院回数の現実的な比較
単純な1回あたりの費用だけで比較すると判断を誤りやすく、推奨される施術回数・頻度を踏まえたトータルコストで考えることが現実的です。
インモードリフト(FormaとMiniFXの組み合わせ)の1回あたりの費用は、日本のクリニックでは概ね2〜6万円程度が相場です。部位や機器の組み合わせ、クリニックの立地によって価格差はありますが、キャンペーン価格では2万円台から提供されているケースも多くあります。推奨される施術回数は4〜8回程度(クリニックや肌の状態によって異なる)で、頻度は2〜4週間に1回が一般的です。効果が軌道に乗ってからは、半年〜1年に1回程度のメンテナンス施術で維持するクリニックが多い傾向があります。
ハイフの費用は機種・ショット数・施術部位による価格差が大きく、医療ハイフの場合は1回あたり2〜15万円程度の幅があります。ウルセラのような高出力機種は顔全体で15万円前後になるケースもある一方、ウルトラセルやダブロ系の機種では顔全体3〜8万円程度が現実的な相場です。施術頻度は3〜6か月に1回が目安で、インモードと比べると通院ペースはゆるやかです。
トータルコストで両施術を比較する
通院回数まで含めた総費用の目安を試算すると、インモードは導入フェーズ(4〜8回)で10〜30万円程度、その後はメンテナンス費用が発生します。ハイフは1回あたりの費用が高い場合でも、3〜6か月に1回という頻度のため、年間のコストはクリニックや機種次第で大きく変わります。
どちらの施術も自由診療であり、健康保険の適用外です。費用の全額が自己負担になることを前提に、長期的な視点でコストを検討することが重要です。クリニックによってはコース契約や初回モニター価格を設定していることもあるため、カウンセリング時に単回価格とコース価格の両方を確認しておくとよいでしょう。
痛みとダウンタイムの違いと施術当日の過ごし方
インモードは温感が主体で痛みへの懸念は少なく、ハイフは照射部位によっては深部に響く感覚を伴うことがあります。ただし、どちらも施術当日からメイク・洗顔が可能なダウンタイムの少ない施術です。
インモードの施術中の感覚とダウンタイム
インモード施術中の感覚は、Formaについては「温かいマッサージのような心地よさ」と表現する方が多く、痛みとして感じるケースは少ないとされています。MiniFXは吸引を伴うため、引っ張られるような刺激感を感じることがありますが、多くの場合は許容できる範囲内です。
ダウンタイムはほぼなく、施術直後からメイクや洗顔が可能です。ただし、MiniFXの吸引によって内出血が生じることがあり、数日〜2週間程度で自然に消失するのが一般的です。内出血の程度には個人差があり、まったく出ないケースから薄く残るケースまで幅があります。施術当日は血流が促進されるサウナや激しい運動、飲酒は避けるよう指導されることが多く、日焼け止めによる紫外線対策と丁寧な保湿ケアが推奨されます。
ハイフの施術中の感覚とダウンタイム
ハイフの施術中は、照射部位や機種によって痛みの感じ方に差があります。フェイスラインや顎周辺など神経が密集する部位では「ズーン」とした深部に響く鋭い感覚を伴うことがあり、これがハイフの痛みとして語られることが多い感覚です。
一方、最新機種ではコラーゲン熱変性に必要な温度(60℃前後)に近い温度で安定照射できるよう設計されており、旧来の機器と比較して痛みが大幅に軽減されているケースも増えています。
ダウンタイムはほぼなく、施術直後からメイクが可能なクリニックがほとんどです。内出血のリスクはインモードと比べると低い傾向があります。施術後の注意点はインモードと共通しており、紫外線対策・保湿・当日の激しい運動や入浴の回避が一般的に指導されます。ハイフ施術後に一時的な腫れやほてりを感じるケースもありますが、通常は数日以内に落ち着きます。
悩みのタイプ別にインモードとハイフはどちらが向いているか
前章で確認した通り、2つの施術は効果の方向性もコスト構造もまったく異なります。では、実際に自分にはどちらが合うのか。その判断基準はシンプルで、「悩みの根本原因が脂肪にあるのか、筋膜のゆるみにあるのか」という一点に集約されます。
もちろん、両方が混在しているケースも珍しくなく、その場合には「組み合わせる」という選択肢も有効です。この章では、悩みのタイプ別に適した施術の考え方を整理します。
この章のポイント
・脂肪によるもたつきにはインモードが適する傾向
・筋膜のゆるみによるたるみにはハイフが適する傾向
・両方に悩む場合は併用アプローチも選択肢になる
インモードが向いているのはどんな人か
インモードは、フェイスラインや顎下の「脂肪によるもたつき」が主な悩みの方に適しています。たるみよりも輪郭の丸みやボリュームが気になる方、あるいは肌質の改善も同時に求める方にとって、RF複合アプローチは効果的な選択肢になりえます。
触ったときに柔らかく動く「脂肪感」がある、顎下を押すと脂肪のボリュームを感じる、という方はインモードが向いている可能性が高いといえます。一方で、引っ張ると元に戻ろうとするたるみ感が強い場合は、脂肪だけの問題ではなく筋膜のゆるみが関与している可能性もあるため、カウンセリングで医師に判断してもらうことが重要です。
以下に、インモードが向いている方の特徴をまとめます。
- フェイスラインや顎下の脂肪によるもたつきが気になる
- 小顔効果と肌質改善を同時に得たい
- 施術中の痛みをできるだけ少なくしたい
- 脂肪吸引などの外科的施術には踏み切れない
- 脂肪そのものを減らして輪郭を整えたい
ハイフが向いているのはどんな人か
ハイフは、顔全体のたるみやほうれい線・口角の下がりなど、筋膜のゆるみに起因する悩みを持つ方に適しています。鏡を見たときに頬や輪郭が「以前より下がった」と感じたり、若い頃の写真と顔の位置が変わったと感じたりする場合は、SMAS筋膜の緩みが原因である可能性が高く、ハイフのアプローチが有効になります。
加齢によるたるみは20代後半から少しずつ進行し、30代後半〜40代にかけて自覚されるケースが増えます。脂肪ではなく「皮膚と顔の構造が下方向にシフトしている」という感覚がある方は、筋膜レベルからのアプローチを検討する価値があります。
以下に、ハイフが向いている方の特徴をまとめます。
- 顔全体のたるみやほうれい線が気になりはじめた
- 筋膜からしっかりと引き上げるリフトアップ効果を求めている
- 通院頻度を少なくしたい(3〜6か月に1回が目安)
- 30代後半〜40代で加齢による顔の「下がり」を感じている
- 切らないリフトアップを希望している
「どちらか」ではなく「組み合わせる」という選択肢もある
インモードとハイフを一方だけで選ぶ必要はなく、深部の筋膜をハイフで引き締めつつ、表層の脂肪減少と肌質改善をインモードで補うという「層別の役割分担」として組み合わせるアプローチも、実際のクリニック現場では行われています。
脂肪によるもたつきと筋膜のゆるみによるたるみは、同時に進行するケースが多くあります。特に30代後半以降では「輪郭が丸い上に全体的にも下がっている」という状態が珍しくなく、どちらか一方の施術だけでは改善しきれないこともあります。このような場合に、両施術を組み合わせることで相互補完的な改善が期待できます。
HIFU+RF併用の相乗効果を示す臨床研究
この組み合わせアプローチの有効性については、複数の臨床研究で報告されています。
韓国で行われた22名を対象としたスプリットフェイス試験(PMC10496459)では、HIFUとバイポーラRFを組み合わせた側の顔において、HIFU単独の側と比較して毛穴縮小・皮膚弾力・目元のしわ改善・皮膚保湿のいずれにも相乗的な改善が確認されています。この研究は、超音波と高周波がそれぞれ異なる皮膚層に作用することで互いの効果を補強し合う可能性を示したものです。
マレーシアで実施された56名を対象とした後ろ向き研究(PMC10917599)では、HIFUと独極RFを組み合わせた施術において、96.4%の被験者が臨床的に有意な皮膚引き締め効果の改善を示し、重篤な副作用は報告されませんでした。これらの知見は、「深部はハイフ、表層はRF」という役割分担の有効性を支持するものといえます。
ただし、いずれも小規模な研究であり、現時点では大規模な無作為化比較試験によるエビデンスはまだ十分ではありません。組み合わせの効果については個人差もあるため、自分に適したアプローチについては医師のカウンセリングで肌の状態を見ながら判断することが前提になります。
糸リフトやヒアルロン酸注入との組み合わせについて
インモードやハイフと他の施術を組み合わせる選択肢も存在します。たとえば、たるみの程度が強く非侵襲的な施術だけでは改善が難しい場合には、糸リフトの併用を検討するケースがあります。糸リフトは体内で溶ける糸を皮膚に挿入して物理的に引き上げる施術で、即時のリフトアップ効果が得られる反面、ダウンタイムが生じる点がハイフやインモードとは異なります(糸リフトの詳細については[糸リフトとは?効果・持続期間・ダウンタイムを解説]をご参照ください)。
ヒアルロン酸注入は、加齢による組織のボリュームロスを補う目的で用いられることが多く、引き上げるというよりも「失われた立体感を補填する」アプローチです。たるみの原因が筋膜のゆるみだけでなく、顔の脂肪の萎縮・組織量の減少にある場合には、リフトアップ系の施術だけでは限界があり、ボリューム補填との組み合わせが検討されます。
どの施術をどの順序で組み合わせるかは、個人の肌状態・たるみの程度・脂肪の付き方・年齢による変化のパターンによって大きく異なります。自己判断で複数の施術を並行して受けることにはリスクも伴うため、まず医師によるカウンセリングで自分の状態を正確に評価してもらったうえで、治療計画を立てることが最善の進め方です。
施術前に確認すべき注意点とクリニック選びの視点
どの施術が自分に向いているかが整理できたとしても、施術を受ける前に確認しておくべき事項があります。身体の状態によっては施術を受けられないケースがあること、そして施術を受ける場所の選択が安全性と効果の両方に直結するという点は、施術の種類を選ぶことと同じくらい重要です。
この章では、インモードとハイフそれぞれの禁忌事項と、クリニック選びの際に知っておくべき背景について整理します。
この章のポイント
・金属インプラントやペースメーカーがある場合は施術不可
・2024年よりハイフは医療機関での施術が法的に明確化
・医師による事前診察が安全性と効果の前提になる
インモードとハイフを受けられない場合の確認ポイント
インモードとハイフのいずれも、身体の状態によっては施術を受けられない場合があります。以下に該当する方は、施術前に必ず医師に申告し、受けられるかどうかの判断を仰いでください。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 施術部位に金属プレート・金属インプラントが入っている方
- ペースメーカーなど、体内埋め込み型の医療機器を使用している方
- 施術部位に活動性の炎症・感染症・傷がある方
- ケロイド体質の方
- 重篤な心疾患・血液疾患がある方
このほか、施術部位へのヒアルロン酸やフィラー注入の既往がある方、抗凝固薬を服用している方なども、施術の可否を医師が個別に判断するケースがあります。上記はあくまで代表的な例であり、最終的な判断は担当医師によるカウンセリングと診察に委ねられます。
自己判断で「大丈夫だろう」と施術を受けることは避け、少しでも該当する可能性がある場合は事前に申告することが、トラブルを防ぐための基本です。
必ず医療機関で受けるべき理由
インモードとハイフはいずれも、医療機関で医師または医師の指示の下にある看護師が施術を行うことが前提の医療行為です。特にハイフについては、2024年6月7日に厚生労働省が医師法第17条に基づき「医師免許を有しない者が業としてHIFU施術を行うことは医師法違反にあたる」と通知を発出しており、医療機関以外での施術は事実上禁止されています。
2024年の厚生労働省通達でハイフの位置づけが明確になった
この通知(令和6年6月7日、厚生労働省医政局医事課)は、医師免許を有しない者がHIFU施術を業として行うことを医師法第17条違反と明確に位置づけたものです。使用する機器が医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射して細胞に熱凝固を起こさせ得る行為はすべて対象となります。違反した場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
なお、医師の指示の下で看護師が診療補助としてハイフ施術を行うことは問題ないとされており、実際の医療現場では医師の指示下で看護師が担当するクリニックも多くあります。いずれの場合も、施術は医療法に定める医療提供施設において行わなければならないという点は変わりません。
それ以前はエステサロンやセルフエステ施設でもハイフが提供されており、急性白内障や神経麻痺などの重篤な健康被害が2015年〜2022年の間に135件報告されていました(消費者安全調査委員会、2023年3月)。この通達はそうした被害の増加を受けた法的整理であり、安全性と効果の両面から、医療機関での施術を選ぶことが唯一の合理的な選択です。
解剖学的知識に基づく照射が安全性を担保する
インモードとハイフはいずれも、照射する部位・深度・エネルギー量の設定を誤ると、熱傷・神経障害・色素沈着などのリスクを伴う施術です。顔の神経・血管・脂肪の分布には個人差があり、画一的な設定で全員に同じ照射を行うことには限界があります。
医師または医師の指導下にある看護師が施術を担当する場合、患者の肌状態・皮下組織の厚み・既往歴を踏まえた個別の判断が施術に反映されます。特にハイフはSMAS筋膜の深さまでエネルギーが届くため、顔面神経の走行を熟知した施術者による照射でなければ、神経に近接した部位でのリスクを適切に管理することができません。クリニックを選ぶ際には、担当者の資格・施術実績・使用機器の種類を事前に確認することをおすすめします。
カウンセリングで「自分の悩みの原因」を診断してもらう
施術の効果を最大化するためには、悩みの表面的な症状ではなく、その原因がどこにあるかを正確に診断してもらうことが前提になります。「フェイスラインが気になる」という同じ悩みでも、原因が脂肪なのか筋膜なのか、あるいは組織のボリューム減少なのかによって、適切な施術はまったく異なります。
カウンセリングでは、医師が視診・触診によって皮膚の状態・脂肪の付き方・たるみの程度を総合的に評価します。この診察なしに施術を決定することは、原因に合わない治療を受けるリスクにつながります。費用や施術回数の見通しについても、カウンセリングの場で具体的に確認しておくことが、後悔のない施術選びの出発点になります。
インモードとハイフのよくある質問!
インモードとハイフの仕組みや選び方を整理してきましたが、実際に施術を検討する段階では、より具体的な疑問が浮かぶことも多いはずです。
ここでは、診察前に多く寄せられる質問を6つ取り上げ、それぞれ端的に回答します。カウンセリングに臨む前の確認材料としてご活用ください。
インモードとハイフは同じ日に両方受けられますか?
同日に両方の施術を受けることは、クリニックによっては対応しています。ただし、皮膚への負担が重複するため、医師が肌の状態を確認したうえで判断するケースがほとんどです。希望する場合はカウンセリング時に相談してください。
インモードとハイフはどちらが痛いですか?
一般的には、ハイフのほうが痛みを感じやすいとされています。インモードは温感が主体ですが、ハイフはフェイスラインや顎周辺など神経が多い部位で深部に響く感覚を伴うことがあります。機種や出力設定によって個人差が大きいため、痛みに敏感な方は事前に医師に相談することをおすすめします。
インモードは何回受ければ効果が出ますか?
1回の施術でも効果を実感するケースはありますが、4回以上の施術を重ねることでより明確な変化が得られるとされています。推奨される頻度は2〜4週間に1回で、クリニックや肌の状態によって最適な回数は異なります。
ハイフの効果はどのくらい持続しますか?
個人差はありますが、効果の持続期間は一般的に6か月〜1年程度とされています。たるみの程度や年齢・肌質によって差があり、効果が薄れてきたと感じた時点で再施術を検討するクリニックが多い傾向があります。
エステのハイフと医療機関のハイフは何が違いますか?
2024年6月7日の厚生労働省通知(医師法第17条に基づく)により、医師免許を有しない者がハイフ施術を業として行うことは違法と明確化されました。エステ用機器は出力が抑えられており、SMAS筋膜に届かないケースが多いため、効果面でも医療機関での施術に及びません。安全性・効果の両面から、ハイフは必ず医療機関で受けることが唯一の選択肢です。
インモードとハイフはどちらがたるみに効きますか?
たるみの改善にはハイフが適しています。インモードは脂肪減少と肌質改善に強みがあり、筋膜のゆるみによるたるみへの直接的なアプローチはハイフのほうが有効です。脂肪とたるみの両方が気になる場合は、医師のカウンセリングで原因を診断してもらったうえで施術を選ぶことをおすすめします。
まとめ
インモードは脂肪層へのアプローチに強みを持ち、ハイフはSMAS筋膜を直接引き締めることでリフトアップを実現します。どちらを選ぶかは「好み」の問題ではなく、自分の悩みの根本原因がどこにあるかで決まります。脂肪によるもたつきが主な悩みならインモード、筋膜のゆるみによるたるみが気になるならハイフ、両方に心当たりがあれば併用という選択肢も十分に検討する価値があります。
施術の効果を最大化するために、まずは医師によるカウンセリングで肌の状態・脂肪の付き方・たるみの程度を診断してもらうことが、後悔しない施術選びの出発点になります。
アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。
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参考文献・出典
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