乾燥肌と脂性肌の見分け方とは?セルフチェック法から肌質別ケアまで徹底解説

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乾燥肌・脂性肌・混合肌といった肌質とは、皮脂の分泌量と角層の水分保持力のバランスによって分類される肌の状態です。1980年代に資生堂がIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)の受賞研究で確立したこの4タイプ分類は、現在も世界標準として活用されています。

セルフチェックの基本は、洗顔後15〜20分スキンケアをせずに放置し、つっぱり感・テカリ・ベタつきの有無と部位を確認すること。Tゾーンにテカリがあり頬にカサつきが混在するなら、脂性肌ではなくインナードライ(乾燥性脂性肌)の可能性が高いと判断できます。

テカリが目立つため脂性肌と自認していても、実際にはインナードライに該当するケースは少なくありません。表面の皮脂に惑わされてさっぱり系のケアだけを続けると、角層の水分不足がさらに進行し、皮脂の過剰分泌を招く悪循環に陥りやすくなります。ケアを続けているのに肌の調子が上向かないとき、その原因が肌質の誤認にある場合は、思っているより多いものです。

ここでは、洗顔後放置チェック・メイク崩れの観察・ティッシュを使った皮脂量チェックの3種のセルフチェック法と、肌質別のスキンケアの基本原則、セルフチェックで判断に迷ったときの専門診断の活用まで、順を追って解説します。

 

Contents
  1. そもそも肌質とは?乾燥肌・脂性肌・混合肌の違いを理解する
  2. 自宅でできる肌質セルフチェック法3種
  3. 肌質別に押さえておきたいスキンケアの基本原則
  4. セルフチェックで迷ったら試したい。美容皮膚科の肌診断でわかること
  5. 乾燥肌と脂性肌の見分け方に関するよくある質問
  6. まとめ

そもそも肌質とは?乾燥肌・脂性肌・混合肌の違いを理解する

肌質とは、皮脂の分泌量と角層の水分保持力のバランスによって、普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌の4タイプに分類される肌の状態です。

1980年代に資生堂がIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)の受賞研究で確立したこの分類は、現在も世界標準として活用されています。本章ではこの2軸の意味と4タイプそれぞれの特徴、そして脂性肌と混同されやすいインナードライのメカニズムを整理します。

この章のポイント
・肌質は水分量と皮脂量の2軸で4タイプに分類される
・4タイプはそれぞれ異なる特徴と肌悩みを持つ
・インナードライは脂性肌と誤認されやすい

肌質は「水分量」と「皮脂量」の2軸のバランスで決まる

肌質の分類は、角層が保持する水分の量と、皮脂腺から分泌される皮脂の量という2つの軸の組み合わせによって成立します。この組み合わせで、普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌の4タイプに整理されます。

この科学的分類の基礎を築いたのが、1980年代に資生堂がIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)の研究発表で受賞した肌質判別の研究です。当時は「普通肌・乾燥肌・脂性肌」の3分類が主流でしたが、この研究によって「皮脂量は多いが水分が不足している」という4つ目のタイプが科学的に見出されました。

これが現在でいう混合肌にあたり、この4分類は今日も世界標準として広く活用されています(出典:資生堂コーポレートサイト「IFSCC大会受賞研究の紹介」)。2つの軸の組み合わせを整理すると、以下のようになります。

肌質 水分量 皮脂量 主な状態
普通肌 適量〜やや多め 適量 バランスが整った状態
乾燥肌 カサつき・バリア機能の低下
脂性肌 適量〜やや多め 過剰 テカリ・ベタつき
混合肌(インナードライ) 過剰 表面は脂っぽく内側は乾燥

肌質を左右するのは生まれ持った体質だけではありません。季節・加齢・生活習慣・ホルモンバランスによっても変化します。「ずっと脂性肌だと思っていた」という場合も、年齢や環境の変化によって肌質がシフトしていることは珍しくありません。

各肌質の特徴を比較する

4タイプはそれぞれ異なる悩みとして現れます。自分の肌状態がどのタイプに近いかを把握する手がかりとして、各肌質の特徴を押さえておきましょう。

乾燥肌の特徴

乾燥肌は、皮脂量・水分量がともに少ない状態です。洗顔後すぐにつっぱり感が出る、粉が吹く、細かいシワが目立ちやすいといった症状が現れます。皮脂膜が薄いためバリア機能が低下しており、紫外線や外的刺激のダメージを受けやすい点も特徴です。肌のキメは比較的細かいものの、うるおい不足から小ジワが生じやすくなります。

脂性肌の特徴

脂性肌は、水分量は保たれているものの皮脂が過剰に分泌されている状態です。日中を通じてテカリやベタつきが続き、毛穴の開きや黒ずみ、ニキビが生じやすくなります。皮脂量が多いぶん乾燥には強い傾向がありますが、過剰な皮脂が毛穴を詰まらせてニキビトラブルを繰り返しやすい肌質です。

混合肌(インナードライ)の特徴

混合肌(インナードライ)は、Tゾーン(額・鼻)にテカリがある一方で、頬や口元はカサつくという一見矛盾した状態です。洗顔後のつっぱり感もインナードライに多く見られます。表面の皮脂だけを見ると脂性肌と区別がつきにくいため、誤認が生じやすいタイプといえます。

普通肌の特徴

普通肌は水分・皮脂ともにバランスが整った理想的な状態です。洗顔後のつっぱりやベタつきが少なく、日中の大きなテカリや乾燥も起きにくい状態を指します。ただし、この状態を自然に維持できている人は実際には多くありません。加齢や季節の変化によって、普通肌だった人が乾燥肌や混合肌に移行することもあります。

以下の比較表も参考にしてください。

肌質 皮脂量 水分量 よくある肌悩み 洗顔後の状態
普通肌 適量 適量〜多め 特定の悩みが少ない ほぼ変化なし
乾燥肌 カサつき・粉吹き・小ジワ すぐつっぱる
脂性肌 過剰 適量〜多め テカリ・毛穴の開き・ニキビ ベタつきが続く
混合肌(インナードライ) 過剰 部位差のある乾燥とテカリ つっぱりとテカリが混在

インナードライは脂性肌と間違えやすい。その理由とメカニズム

インナードライは、肌表面こそ皮脂でベタついているものの、角層の内部では水分が慢性的に不足している状態です。テカリという外見上の特徴から脂性肌と混同されやすく、誤ったケアを続けることで状態が悪化しやすいタイプといえます。

なぜインナードライが生じるのか

水分が不足すると角層のバリア機能が低下し、肌はそれを補おうとして皮脂を過剰に分泌します。しかしこの皮脂はあくまで応急処置であり、角層内部の乾燥自体は解消されません。

結果として、表面はテカっているのに内側は乾いているというアンバランスな状態が固定化されていきます。「テカっているから脂性肌向けのさっぱり系洗顔を選ぶ」という判断が、実は乾燥をさらに進行させる行為になっている場合があります。

脂性肌との識別ポイント

インナードライと脂性肌の識別で注目すべきは「テカリ以外の症状」です。テカリがあるにもかかわらず、ゴワつき・皮むけ・つっぱり感が伴うなら、インナードライを疑う根拠となります。脂性肌は水分量も保たれているため、これらのカサつき系の症状は通常あまり現れません(参考:KOSÉの美容専門家による見解)。

脂性肌と自認している人の中に実際はインナードライに該当するケースが少なくないとされており、まず自分の肌を「テカリだけ」で判断しないことが、正しいスキンケアの第一歩となります。

 

自宅でできる肌質セルフチェック法3種

前章で確認したとおり、肌質は水分量と皮脂量の2軸で決まりますが、実際に自分の肌がどのタイプに該当するかを判断するには観察が必要です。

自宅でできるセルフチェックとしては、洗顔後15〜20分の放置チェック・メイク崩れの観察・ティッシュを使った皮脂量チェックの3種が有効です。本章では各手法の手順と判定基準、チェック精度を上げる注意点を解説します。

この章のポイント
・洗顔後15〜20分の放置チェックが最も基本的な手法
・メイク崩れのパターンも肌質判定の有効な手がかりになる
・1回の結果で断定せず、複数日・複数手法で確認する

洗顔後の放置チェック法が、もっとも基本的な見分け方

洗顔後にスキンケアをせず15〜20分放置し、部位ごとの肌の状態を観察する方法が、セルフチェックの基本です。外部からの要素を排除した状態で肌本来の挙動を確認できるため、3種の中でもっとも信頼性が高い手法といえます。

チェックの手順

洗顔後、タオルでやさしく水分を押さえるように拭き取り、化粧水・乳液・美容液などのスキンケアは一切つけずにそのまま待ちます。15〜20分が経過したら、Tゾーン(額・鼻)、頬、口元・顎をそれぞれ観察します。「全体的にどうか」だけでなく「部位ごとの差」に着目することが、判定の精度を上げるポイントです。

判定の基準

15〜20分後の肌の状態 予測される肌質
全体的につっぱり感・カサつきがある 乾燥肌の可能性
Tゾーンにテカリ、頬につっぱり感がある 混合肌(インナードライ)の可能性
全体的にベタつく、つっぱりはほとんどない 脂性肌の可能性
ベタつきもつっぱりもほとんどない 普通肌の可能性

注意しておきたいのは、10分程度では肌の状態がまだ安定しきっていない場合があるという点です。洗顔直後は一時的に皮脂バランスが乱れているため、短時間での観察では実際の肌質より乾燥寄りに感じられることがあります。15〜20分という時間を守ることが、判定の信頼性を高めます。

メイク崩れのパターンで肌質を見分ける

朝のベースメイクが5時間後にどう崩れているかを観察することも、肌質判定の有効な手がかりになります。崩れ方のパターンは肌質によって明確に異なるため、毎日のメイクを肌質チェックの機会として活用できます。

観察のタイミングと確認方法

確認するタイミングは、朝のスキンケアとベースメイク(化粧下地・ファンデーション)を仕上げてから5時間前後が目安です。昼食後から午後の早い時間帯がちょうど観察しやすいタイミングといえます。鏡で全顔を確認した後、手のひらで各部位をそっと触れて皮脂の付着を確認します。

崩れ方のパターン別判定

メイク崩れのパターン 予測される肌質
ファンデーションが割れる・粉っぽくなる 乾燥肌の可能性
全体的にメイクがヨレる・テカる 脂性肌の可能性
Tゾーンのテカリと頬のカサつきが同時に起こる 混合肌(インナードライ)の可能性
大きな崩れが見られない 普通肌の可能性

テカリとツヤの違いを見分ける

午後に顔が光って見えるからといって、必ずしも皮脂が原因とは限りません。手のひらでそっと触れてみて、皮脂が指につくようならテカリ、つかないならツヤと判断できます。ツヤはバリア機能が正常に働いているサインであり、テカリとは本質的に異なります。この識別を誤ると、正常な肌状態を脂性肌と誤認してしまう可能性があるため注意が必要です。

ティッシュを使った皮脂量チェック

ティッシュへの皮脂の付着状況を部位ごとに確認することで、皮脂分泌の偏りを視覚的に把握できます。単独での使用より、放置チェックと組み合わせることで判定の根拠が厚くなります。

チェックの手順と判定基準

洗顔後15分程度が経過した状態で、ティッシュを1枚用意します。Tゾーン(額・鼻)、頬、顎にそれぞれ数秒間やさしく押し当て、付着した皮脂の量と部位差を確認します。

ティッシュへの皮脂の付着状況 予測される肌質
全部位にまんべんなく皮脂がつく 脂性肌の可能性
Tゾーンのみ皮脂がつき、頬・顎はほとんどつかない 混合肌(インナードライ)の可能性
どの部位もほとんど皮脂がつかない 乾燥肌の可能性
うっすら全体につくが量は少ない 普通肌の可能性

この方法はあくまで補助的な目安として位置づけてください。ティッシュの素材や押し当てる圧によって結果にばらつきが出やすく、単独で肌質を断定するには限界があります。前述の放置チェックやメイク崩れ観察と組み合わせて、複数の結果が一致したタイプを自分の肌質と判断するのが妥当です。

セルフチェックの精度を上げるための注意点

1回のチェック結果だけで肌質を断定することは避けてください。条件を整えた上で複数回確認することが、判定の信頼性を高めます。

複数日にわたって確認する

肌質は季節・体調・ホルモンバランス・加齢によって常に変化しています。1回の結果に頼らず、3〜5日間連続で同じ方法でチェックし、傾向が一致するタイプを判断材料にするのが望ましい考え方です。

生理周期を考慮する

生理前はプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で皮脂分泌量が増加し、普段より脂性肌に近い状態になりやすい傾向があります。反対に生理後はエストロゲンの分泌が盛んになり、肌状態が安定しやすい時期です。チェックの信頼性を高めるには、生理後1〜2週間の周期が安定した時期を選ぶとよいでしょう。

季節と環境の影響を排除する

夏は気温上昇と発汗の影響で皮脂量が増加し、冬は空気の乾燥で水分量が低下しやすくなります。エアコンの効いた室内や、運動・入浴の直後も一時的に肌状態が変化するため、チェック環境としては適していません。室内で安静にしている状態で確認することが基本です。

洗顔料の洗浄力に注意する

洗浄力が強すぎる洗顔料を使った直後は、本来の皮脂バランスが過度に乱れているため、実際の肌質より乾燥寄りの結果が出やすくなります。普段使っている洗顔料で洗顔した後の状態でチェックすることが、日常の肌質をより正確に反映します。

 

肌質別に押さえておきたいスキンケアの基本原則

前章の3種のセルフチェックで自分の肌質の傾向が把握できたら、次に問われるのはその肌質に合ったケアができているかという点です。

乾燥肌は水分と油分の両方を補うこと、脂性肌は保湿を省かないこと、混合肌・インナードライは部位別に使い分けることが、それぞれの基本原則となります。本章では3タイプのスキンケアの方向性を、洗顔・保湿・UVケアの観点から整理します。

この章のポイント
・乾燥肌は水分と油分の両方を補うことが基本
・脂性肌こそ保湿を省いてはいけない
・混合肌は部位ごとにケアを使い分けることが鍵

乾燥肌のケアは「水分と油分の両方を補う」が原則

乾燥肌のケアで最初に意識すべきことは、水分だけでなく油分もあわせて補うという考え方です。水分単独では蒸発を防げないため、油分で「蓋をする」工程がセットになって初めて保湿が成立します。

乾燥肌は皮脂量・水分量がともに少なく、角層のバリア機能が低下した状態にあります。バリア機能が低下すると、角層から水分が蒸発しやすくなるだけでなく、外的刺激も受けやすくなります。ケアの方向性は大きく「保湿成分の選び方」「洗顔の方法」「UVケア」の3点に整理できます。

保湿成分の選び方

乾燥肌で意識すべき保湿成分として代表的なのが、セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンの3種です。セラミドは角層の細胞間を埋める成分であり、水分を保持する構造そのものを補う役割を持ちます。

ヒアルロン酸やグリセリンは水分を引きつけて保持する保湿成分として機能します。化粧水で水分を補給した後、乳液やクリームの油分で蓋をする順序を守ることが、保湿の効果を最大化する基本です。

洗顔の方法

洗浄力が強すぎる洗顔料や熱いお湯の使用は、もともと少ない皮脂をさらに洗い流してしまうリスクがあります。ぬるま湯を使い、洗顔時間は短めに抑えることが乾燥肌の基本です。泡立てた泡で優しく洗い、すすぎも短時間で済ませることを意識してください。

UVケアの優先度

乾燥肌はバリア機能が低下しているぶん、紫外線のダメージを受けやすい状態にあります。日常的なUVケアは、シミやシワの予防という観点だけでなく、バリア機能を外的刺激から守るという意味でも欠かせません。

日焼け止めは肌への刺激が少ないものを選び、毎日の習慣として取り入れることが望ましいです。

脂性肌のケアは「保湿を省かない」ことが最重要

脂性肌のスキンケアで最も避けるべき誤りは、ベタつきを嫌うあまり保湿を省いてしまうことです。皮脂が多い状態であっても、角層の水分量が不足していることは珍しくなく、保湿ケアの必要性は乾燥肌と変わりません。

洗顔のやりすぎに注意する

洗顔で皮脂を落としすぎると、肌は防御反応としてさらに皮脂を分泌しようとします。1日に何度も洗顔したり、洗浄力が過剰な洗顔料を使い続けたりすることで、テカリがかえって悪化するという逆効果が生じやすくなります。脂性肌の洗顔は、余分な皮脂は落としつつも必要な皮脂は残す、適切な洗浄力のものを選ぶことが基本です。

保湿成分を確認して選ぶ

脂性肌の場合はさっぱりとした使用感のテクスチャーが向いていますが、保湿成分が含まれているかどうかは必ず確認してください。

テクスチャーがさっぱりしているだけで保湿成分が少ない製品を選ぶと、皮脂量は多いまま水分だけが不足するインナードライに近い状態に移行するリスクがあります。使用感の「さっぱり感」ではなく、「成分として何が入っているか」を基準に選ぶことが脂性肌には求められます。

生活習慣の見直しも並行して行う

皮脂の過剰分泌にはスキンケア以外の要因も関与しています。睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、肌のターンオーバーを乱すとともに皮脂の過剰分泌を促すとされています。

脂質の多い食事の過剰摂取や、慢性的なストレスによる自律神経の乱れも、皮脂量に影響を与える要因のひとつとされています。スキンケアと並行して生活習慣を見直すことが、脂性肌の根本的な改善につながります。

混合肌・インナードライのケアは「部位別アプローチ」が鍵

混合肌・インナードライのケアでもっとも重要なのは、「テカっている部位」と「乾燥している部位」を同じように扱わないことです。全顔に同じ製品・同じ量を均一に塗布するアプローチは、この肌質には合いません。

水分を全体に補い、油分は部位で使い分ける

基本的な考え方は、まず全体に水分をしっかり補給し、その上で乾燥しやすい部位(頬・口元・目元)には油分をプラスして水分の蒸発を防ぐという二段階のケアです。

Tゾーンは皮脂量が多いため、油分の重ねづけは最小限に抑えます。具体的には、化粧水は全顔に丁寧に浸透させ、乳液やクリームはUゾーン(頬・口元)を中心に塗布し、TゾーンはUゾーンに塗布した後の手に残った量で軽く押さえる程度にするといった使い分けが一般的です。

さっぱり系ケアへの偏りを見直す

インナードライの状態にある肌では、角層のバリア機能が低下していることが多く、セラミドを補う保湿ケアが有効な選択肢のひとつとなりえます。

セラミドは角層の構造を補修し、水分保持力の回復を助ける成分です。さっぱり系のケアだけで仕上げる習慣を続けていると、乾燥がさらに進んで皮脂の過剰分泌が助長されます。テカリが気になる部位があっても、保湿を削る方向ではなく、テクスチャーを軽くしながら保湿成分は確保するという方針で製品を選ぶことが、インナードライの改善につながります。

以下に3肌質のスキンケアポイントをまとめておきます。

肌質 洗顔 保湿 UVケア 意識すべき成分
乾燥肌 ぬるま湯・短時間 水分と油分の両方を補う バリア低下により優先度高 セラミド・ヒアルロン酸・グリセリン
脂性肌 適切な洗浄力・1日2回まで さっぱり系でも保湿成分を確認 通常通り 水溶性保湿成分・ノンコメドジェニック処方
混合肌(インナードライ) 低刺激なものを選ぶ 全体に水分、乾燥部位に油分を重ねる 通常通り セラミド・バリア機能を補う成分

 

セルフチェックで迷ったら試したい。美容皮膚科の肌診断でわかること

前章までの3種のセルフチェックと肌質別ケアを実践しても、判断がつかないケースや、ケアを続けても改善が見られないケースは少なくありません。

セルフチェックはあくまで表面的な判定にとどまり、角層内部の水分量や皮脂バランスを正確に数値化することはできないためです。本章では、専門機器による肌診断で何が把握できるのか、そして肌質を定期的に見直すことの意義について解説します。

この章のポイント
・セルフチェックは表面的な判定にとどまる
・VISIAでは肌の内部状態を客観的に数値化できる
・肌質は変化するため定期的な見直しが必要

セルフチェックが「表面の判定」にとどまる理由

セルフチェックで把握できるのは、テカリ・カサつき・つっぱり感といった肌の表面的な挙動にすぎません。角層内部の水分量や皮脂バランスを正確に数値化することは、セルフチェックの手法では原理的に困難です。

洗顔後の放置チェックやティッシュテストは、誰でも手軽に試せる方法である一方、結果は観察者の主観や当日の体調・環境条件に左右されやすい側面があります。同じ人が同じ日に行っても、室温・湿度・洗顔料の種類によって結果が変わることがあるため、あくまで傾向をつかむ手段として位置づけることが適切です。

コスメカウンターで提供されるスキンチェッカーについても同様です。簡易的な肌測定器は角層の水分量を数値として示すことができますが、独立した精度検証の研究が少なく、再現性に限界があるとの学術的な指摘もあります(参考:PMC掲載のVISIA精度に関する研究)。自分では普通肌だと判断していても、実際にはインナードライが進行しているケースがあるのはこうした背景によるものです。

美容皮膚科のVISIA肌診断でわかること

美容皮膚科で導入されている医療用肌画像解析機器「VISIA(ビジア)」では、セルフチェックでは把握できない肌の内部状態を項目ごとに客観的に数値化できます。

VISIAが解析できる項目

VISIAはカラー写真とUV写真の2種類の撮影モードを持ち、以下の項目を数値化・スコア化します。

撮影モード 解析できる項目
カラー写真 シミ・シワ・毛穴・肌のキメ・色ムラ
UV写真 隠れジミ・ポルフィリン(アクネ菌の代謝物)・色素分布

特にポルフィリンは、ニキビの原因となるアクネ菌の代謝物であり、肉眼では確認できない段階からニキビリスクを把握できる点が特徴です。また隠れジミは、現時点では肌表面に出ていないものの将来的に表面化するリスクのあるメラニン沈着を指します。早期に把握することで、シミが定着する前に対処できる可能性があります。

同年代との比較で客観的な肌状態を把握できる

VISIAは10万人以上(日本人約11,000人を含む)の肌データをデータベース化しており、解析結果を同年代・同性別の平均値と比較することができます(出典:Canfield Scientific提供データ)。「自分の肌が同年代と比べてどの位置にあるか」を数値とパーセンタイルで確認できるため、主観的な自己評価では気づきにくい肌の状態を客観的に把握する手がかりとなります。

診察では、VISIAの解析結果をもとに皮膚科専門医が個別のスキンケアアドバイスや治療提案を行います。セルフチェックとセルフケアだけでは改善の方向性が見えにくい場合に、専門家の視点からの判断は大きな助けとなるでしょう。

肌質は変化するものだから定期的な見直しが必要

肌質は一度判定すれば固定というものではなく、年齢・季節・生活習慣・ホルモンバランスによって常に変化します。定期的な見直しを習慣にすることが、長期的な肌管理の土台となります。

加齢による皮脂分泌量の変化

女性の皮脂分泌量は30代後半から低下が始まり、40代に入るとさらに顕著に減少する傾向があります(参考:Nazzaro-Porro M et al., J Invest Dermatol, 73(1):112-117, 1979)。

20代のうちは脂性肌だった人が、30代後半以降に混合肌や乾燥肌に移行するケースはこの変化によるものです。以前のスキンケアをそのまま続けていると、肌の変化に対応できなくなる可能性があります。

季節・ライフスタイルによる変動

夏は皮脂分泌量が増加し、冬は空気の乾燥によって水分量が低下しやすくなります。また出産・更年期・ストレスの増大・睡眠不足なども肌質に影響を与える要因です。

こうした変動は一時的なものである場合も多いですが、変化が続くようであれば肌質そのものがシフトしている可能性があります。年に1〜2回はセルフチェックを行い、現在のケアが肌の状態に合っているかを確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

 

乾燥肌と脂性肌の見分け方に関するよくある質問

ここまで肌質の分類・セルフチェック法・ケアの基本原則・専門診断の活用と順を追って解説してきました。最後に、乾燥肌と脂性肌の見分け方に関してとくに寄せられることの多い疑問に、端的にお答えします。

Q1.洗顔後に肌質をセルフチェックするには何分待てばいいですか?

洗顔後15〜20分が目安です。10分程度では皮脂バランスがまだ安定しきっていないため、実際より乾燥寄りの結果が出やすくなります。

Q2.Tゾーンがテカるのに頬がカサカサするのはどの肌質ですか?

混合肌(インナードライ)の典型的な状態です。表面の皮脂に惑わされて脂性肌向けのさっぱり系ケアだけを続けると、乾燥がさらに進行するリスクがあります。

Q3.脂性肌でも保湿クリームは必要ですか?

必要です。皮脂が多い状態でも角層の水分が不足していることは珍しくなく、保湿を省くと皮脂がさらに過剰分泌される逆効果が生じる場合があります。

Q4.肌質は季節によって変わりますか?

変わります。夏は皮脂量が増加して脂性肌寄りに、冬は空気の乾燥で水分量が低下して乾燥肌寄りに傾く傾向があります。季節の変わり目に改めてセルフチェックを行うことが望ましいです。

Q5.ティッシュを使った皮脂チェックはどのタイミングで行えばいいですか?

洗顔後15分程度が経過したタイミングが適切です。洗顔直後は皮脂バランスが乱れているため、少し時間をおいてから行うことで、より日常に近い肌状態を確認できます。

Q6.美容皮膚科の肌診断は、コスメカウンターのスキンチェックと何が違いますか?

医療用のVISIAはシミ・毛穴・隠れジミ・ポルフィリンなど8項目を数値化し、10万人以上のデータベースと比較できます。コスメカウンターの簡易測定器は再現性に限界があるとの学術的な指摘もあり、客観性の精度が異なります。

 

まとめ

肌質の見分け方は、まず洗顔後15〜20分の放置チェックから始めるのが、手軽さと信頼性を両立した方法です。テカリとカサつきが同時に起きているなら、脂性肌ではなくインナードライを疑い、これまでのスキンケアがさっぱり系に偏っていないかを確認することが先決になります。

肌質は季節・加齢・生活習慣によって変化するため、一度の判定で終わりにせず、年に1〜2回は状態を見直す習慣が長期的な肌管理には有効です。セルフチェックで判断がつかない場合や、ケアを続けても改善が見られない場合は、医療用のVISIA肌診断による客観的な評価を、一つの選択肢として検討してみてください。

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参考文献・出典

  • 資生堂「IFSCC大会受賞研究の紹介 ― 肌タイプが4つあった!?」資生堂コーポレートサイト
  • Nazzaro-Porro M, et al. Journal of Investigative Dermatology, 73(1): 112-117(1979年)

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