男性のエイジングケアは何から始めるべき?年代別の肌変化と対策ポイントを解説

美容情報

美容皮膚科リゼクリニックが2024年に実施した調査によると、10〜50代の男性の86.0%が「肌悩みがある」と回答しています。数字だけを見れば、多くの男性がすでに肌の変化を実感していることになります。しかし実際にスキンケアを習慣として続けている男性は依然として少なく、「気になってはいるが何から始めればよいかわからない」という状態のまま時間が経過しているケースが多いのが現実です。

男性の肌には、女性とは異なる構造的な特性があります。皮脂分泌量の多さ、毎日の髭剃りによる摩擦ダメージ、紫外線対策への意識の低さ。これらが重なり合うことで、ケアを後回しにするほど老化の進行が表面化しやすい状態を生み出しています。気づいたときにはすでにかなりの段階まで進んでいた、という事態は珍しくありません。

この記事では、男性の肌がなぜ老化しやすいのか、年代ごとにどのような変化が起こるのか、そして日々のセルフケアから美容医療という選択肢まで、何をどの順番で考えるべきかを医学的な根拠をふまえながら解説します。読み終えたとき、自分の肌に何が起きているのかが整理され、今日から取るべきケアの方向性が見えることを目指しています。

 

男性のエイジングケアが必要な理由と肌老化が進みやすい3つの背景

エイジングケアは女性のものというイメージが根強くありますが、男性の肌にも老化は等しく進行します。むしろ男性特有の肌の構造や日常の習慣が複合的に重なることで、ケアを怠った場合の老化スピードは女性より速くなりやすいとも言われています。まずは男性の肌がなぜ老化しやすいのか、その背景となる3つの要因から整理します。

この章のポイント
・皮脂が多い肌でも内部は乾燥しやすい
・髭剃りがバリア機能を日々損なっている
・紫外線の蓄積ダメージが老化を加速させる

皮脂が多くても乾燥している男性の肌の実態

男性の肌について「皮脂が多い=保湿されている」という認識は、スキンケアを後回しにしてきた方に多く見られる誤解です。皮脂の分泌量と肌の水分保持力は、まったく別の話です。

男性の皮脂分泌量は、思春期以降に男性ホルモンの影響で急増し、一般的に女性の約2倍程度とされています(花王スキンケアナビ)。女性は加齢とともに皮脂分泌量が低下していくのに対し、男性は40〜50代になるまでその水準がほとんど変わらない傾向があります。表面のテカりやべたつきが目立つため、保湿の必要性を感じにくいのは自然なことかもしれません。

一方で、男性の肌は水分蒸散量(TEWL:Transepidermal Water Loss)が女性に比べて多く、バリア機能が弱い傾向があることが資生堂などの研究でも報告されています。表面の皮脂膜によって乾燥を感じにくいだけで、肌の内側では水分が逃げやすい状態が慢性的に続いているのです。

この「外側は脂っぽく、内側は乾いている」という構造こそが、男性のスキンケアを難しくしている根本的な原因の一つです。皮脂を落とすことだけに意識が向き、保湿を省略しがちになることで、バリア機能の低下が進んでいきます。以下に、男性と女性の主な肌特性の違いを整理します。

項目 男性 女性
皮脂分泌量 多い(女性の約2倍程度) 比較的少ない
水分蒸散量(TEWL) 多い傾向 比較的少ない
皮膚の厚さ 厚い(約0.5mm程度厚いとされる) 薄くデリケート
バリア機能 弱い傾向 比較的強い
加齢による皮脂変化 40〜50代まで大きく変わらない 20代以降に低下していく

皮脂量が多いことで外見上は潤っているように見えても、内側のバリア機能は男性のほうが弱い傾向にあります。この表の数値はあくまで傾向を示すものであり、個人差や年齢・測定部位によって異なる点には留意が必要です。

毎日の髭剃りが積み重ねる慢性的なダメージ

男性特有のスキンケアリスクとして、日常の中に溶け込みすぎているために見落とされがちなのが髭剃りの影響です。T字カミソリや電動シェーバーによるシェービングは、毎日繰り返されることで肌に対して相当な負荷をかけ続けています。

カミソリの刃が肌の表面を滑る際、髭だけでなく角質層の一部も物理的に削られます。この摩擦がバリア機能を担う角質層を傷つけ、外部刺激に対して肌が過敏になりやすい状態をつくります。シェービング後に肌がひりひりする、赤みが出るといった経験は、すでにそのダメージのサインです。

さらに注意が必要なのが、色素沈着への影響です。肌が繰り返し刺激を受けると、防御反応としてメラニンが過剰に生成されやすくなります。長年シェービングを続けてきた部位、特に口周りや顎にくすみや色素沈着が生じやすいのはこのためです。

シェービング後はアルコール成分を多く含む製品の使用を避け、低刺激の保湿成分を含むアフターシェーブローションや乳液で速やかに保湿することが基本です。このひと手間が、バリア機能の回復と色素沈着の予防につながります。

紫外線対策の不足と光老化が皮膚に与える影響

シミ・シワ・たるみといったエイジングサインの多くは、加齢そのものよりも紫外線の累積ダメージによる影響が大きいとされています。これを「光老化(photoaging)」と呼び、皮膚科学における老化研究の中でも特に重視されている概念です。

紫外線にはUV-AとUV-Bがありますが、皮膚の老化に深く関わるのはUV-Aです。UV-Aは雲や窓ガラスを透過し、真皮まで到達します。真皮ではコラーゲン線維とエラスチン線維が皮膚のハリと弾力を支えていますが、UV-Aへの長期的な曝露によってこれらが変性・分解されていきます。その結果として、シワの深化、皮膚のたるみ、くすみが徐々に進行するのです。

男性は女性に比べて日焼け止めの使用率が低い傾向があります。外出時の紫外線対策が習慣化されておらず、20〜30代に蓄積したダメージが40代以降になって一気に表面化するケースが多く見られます。紫外線ダメージは年単位・十年単位で積み重なるものであり、「今はまだ気にならない」という段階から対策を始めることが、将来の肌状態に大きな差をもたらします。

また、東京医科歯科大学の西村栄美教授らの研究チームがNature誌に発表した研究(2019年)では、紫外線を含む酸化ストレスが表皮幹細胞のXVII型コラーゲン(COL17A1)を減少させ、表皮の老化を促進するメカニズムが解明されています。光老化が真皮のコラーゲン変性を通じて進行するだけでなく、表皮レベルの幹細胞にも影響を及ぼしうることが示されており、紫外線対策の重要性を科学的に裏づける知見の一つです。

日焼け止めを選ぶ際は、UV-Aを遮断するPA値と、UV-Bを遮断するSPF値の両方を確認することが基本です。日常使いであればSPF30・PA+++程度を目安に、テクスチャーが軽くストレスなく続けられるものを選ぶことが継続のカギになります。

 

40代・50代・60代で異なる男性の肌変化とエイジングサイン

前章で解説した皮脂・髭剃り・紫外線という3つのリスクは、20〜30代のうちは目立った影響として現れにくい場合がほとんどです。しかし、蓄積されたダメージは必ずどこかのタイミングで表面化します。

多くの男性にとって、その転換点が40代です。ここからは、年代ごとに何が起きているのかを具体的に整理します。なお、30代後半からすでに肌の変化を感じ始めるケースも少なくなく、早めに自分の年代の傾向を知っておくことは、対策の出発点として有効です。

この章のポイント
・40代はコラーゲン減少とシミの表面化が重なる
・50代はホルモン変化の影響が肌質に現れやすい
・60代は今からのケアで見た目の差がつく

40代で始まるシミとたるみの本格化

40代は、それまで蓄積してきたダメージが一気に「見える化」する時期です。突然シミが増えたように感じたり、以前より肌のハリがなくなったと実感したりするのは、加齢によるいくつかの変化が同時に重なるためです。

まず、コラーゲンとエラスチンの産生量が30代後半から徐々に低下し始め、40代ではその減少が加速します。真皮のコラーゲン線維が減少することで皮膚のハリと弾力が失われ、重力に従って肌が下方向にたるみやすくなります。目元や口角のたるみ、ほうれい線の深化として現れるのはこのためです。

次に、ターンオーバー(肌の新陳代謝)の周期が延長します。20代では約28日とされるターンオーバーの周期は、40代になると40〜55日程度まで延びるとも言われています(個人差や測定条件によって異なります)。その結果、メラノサイトが生成したメラニンが肌表面から排出されにくくなり、それまで深部に留まっていたシミが表面に浮き上がってくるのです。「急にシミが増えた」という感覚は、実際には数年前から積み上がってきたダメージが顕在化したものと考えるほうが正確です。

加えて、40代は仕事や家庭の責任が重なり、ケアに時間を割きにくい年代でもあります。忙しさを理由にスキンケアが後回しになりやすい時期だからこそ、「時間をかけない継続可能な習慣」を設計することが重要になります。

以下に40代男性に多く見られる肌悩みを整理します。

肌悩み 主な原因
シミの増加・濃化 ターンオーバー延長によるメラニン蓄積、紫外線の累積ダメージ
ほうれい線・たるみ コラーゲン・エラスチンの減少、真皮の弾力低下
目元のシワ 皮膚の菲薄化、乾燥、表情筋の動きの蓄積
毛穴の目立ち 皮脂分泌の継続、肌のたるみによる毛穴の開き
くすみ・疲れた印象 ターンオーバーの鈍化、血行不良、角質の蓄積

これらは単独で現れるケースより、複合的に重なって現れるケースのほうが一般的です。どれか一つが気になり始めたときは、他の変化も同時に進行していると考えておくほうがよいでしょう。

50代の肌に現れるホルモン変化の影響

50代の肌変化を語るうえで避けて通れないのが、男性ホルモン(テストステロン)の変化です。テストステロンは20〜30代にピークを迎えた後、個人差を伴いながら緩やかに低下していきます。その累積的な影響が、50代の肌質の変化として現れやすくなるのです。

ただし、重要な点として、テストステロンの低下スピードや程度には非常に大きな個人差があります。30代後半から変化を実感する人もいれば、60〜70代になっても若い頃と大きく変わらない値を維持する人もいます(日本内分泌学会)。「50代だから必ずこうなる」という一律の変化があるわけではなく、あくまで傾向として理解することが適切です。

皮脂分泌量は男性の場合、40〜50代になってようやく緩やかに低下し始めます。それまで旺盛だった皮脂分泌が落ち着いてくる反面、水分保持のバランスが変化しやすくなり、乾燥を感じやすくなる時期でもあります。30〜40代のスキンケアを「皮脂を抑えること」に主眼を置いたまま継続していると、50代の肌状態には合わなくなっているケースが少なくありません。

また、50代では深いシワやほうれい線が目立ち始め、頬のたるみも40代より明確になる傾向があります。目の下のたるみやくぼみ、フェイスラインのぼやけは、真皮の変化だけでなく皮下脂肪の再分布も関係しています。肌全体にくすみが増し、「疲れた印象に見える」と感じやすくなる年代でもあります。

この時期に求められるスキンケアの方向転換は、「皮脂コントロール重視」から「保湿・バリア機能の強化重視」への移行です。保湿成分の配合が充実した化粧水や乳液、あるいは肌のバリア機能を補完するセラミド配合の製品が有効な選択肢になります。

60代からでも見た目に差がつくケアの考え方

60代は、真皮の菲薄化がさらに進み、肌全体のハリと弾力が大きく低下する時期です。コラーゲンやエラスチンの産生はさらに減少し、皮膚が薄くなることで毛細血管が透けて見えたり、小さな刺激でも赤みや乾燥が生じやすくなったりします。

一方で、この年代からケアを始めることに意味がないかというと、そうではありません。適切なスキンケアや美容医療を継続している方とそうでない方との間には、同じ年齢であっても見た目の印象に明確な差が生まれることが、皮膚科学的な観点からも確認されています。肌の変化を「仕方のないこと」として放置するか、できる範囲で継続的にアプローチするかで、数年後の状態は変わってきます。

60代に特に意識すべきケアは、刺激を最小化しながらバリア機能を補うことです。洗浄力の強すぎる洗顔料の使用は、薄くなった角質層へのダメージになりかねません。低刺激・高保湿の製品を選び、丁寧に保湿することが基本となります。また、紫外線対策はこの年代でも継続して有効です。新たなダメージの蓄積を防ぐ意味で、日焼け止めの習慣を維持することは引き続き推奨されます。

セルフケアによる改善に限界を感じている場合は、美容医療という選択肢も視野に入れておく価値があります。第4章で詳しく解説しますが、たるみや深いシワ、色素沈着については、セルフケアだけでは対処しにくい領域があることも事実です。

 

男性のエイジングケアに有効なセルフケアと成分の選び方

前章で年代ごとの肌変化を確認しました。では実際に、今日から何をすればよいのか。エイジングケアというと特別なルーティンが必要なように思われがちですが、土台となるのは3つのシンプルなステップです。まずその基本を正しく実践したうえで、成分の知識を加えることで、ケアの精度は大きく変わります。

この章のポイント
・洗顔・保湿・紫外線対策が全ての土台になる
・成分を知ると製品選びの精度が上がる
・セルフケアで対処できない悩みがあることも知っておく

まず押さえたい洗顔・保湿・紫外線対策の3ステップ

エイジングケアの出発点は、高価なアイテムを揃えることでも、複雑なルーティンを組むことでもありません。洗顔・保湿・紫外線対策という3つのステップを、無理なく継続できる形で習慣に落とし込むことが最初にすべきことです。

洗顔

皮脂量が多い男性の肌は、洗顔で余分な皮脂や汚れを落とすことが重要です。しかし、洗浄力の強すぎる製品を使ったり、1日に何度も洗顔したりすることは、バリア機能に必要な皮脂まで落としてしまい逆効果になります。朝と夜の1日2回、泡立てた洗顔料で優しく洗うことが基本です。

髭剃り前後の洗顔タイミングにも注意が必要です。シェービング後は肌のバリアが一時的に低下しているため、洗浄よりも保湿を優先する意識が求められます。

保湿

洗顔後、できる限り早いタイミングで保湿を行うことが重要です。肌は洗顔後に水分を失いやすい状態にあり、そのまま放置するとバリア機能の低下につながります。化粧水で水分を補い、乳液やクリームで蓋をするという基本的な流れは、男性の肌でも同様です。

時間をかけたくない場合は、化粧水・乳液・美容液などの機能を一本にまとめたオールインワン製品も選択肢の一つです。成分構成を確認しながら、自分の肌悩みに対応したものを選ぶことで、手間を減らしながらケアを継続できます。

紫外線対策

前章でも触れた通り、光老化の予防において日焼け止めは最も効果が期待できるケアの一つです。天候や季節を問わず、外出する日は朝の保湿後に日焼け止めを塗る習慣を定着させることが理想です。日常使いであればSPF30・PA+++程度を目安に選び、テクスチャーや使用感の面でストレスなく続けられるものを選ぶことが継続のカギになります。

エイジングケアに有用とされる主要成分の特徴

スキンケア製品を選ぶ際、「なんとなく良さそう」という印象で選んでいる方は少なくありません。しかし成分の特性を知っておくと、自分の肌悩みに対してより適切な製品を選べるようになります。ここでは、エイジングケアにおいて有用とされる代表的な成分を整理します。

なお、化粧品は薬機法上「角質層までの作用」に限定されており、真皮レベルへの直接的な変化を謳うことはできません。成分の「期待できる作用」はあくまで肌表面・角質層のコンディションに関わるものとして理解することが適切です。

成分名 期待できる主な作用 対応する肌悩み 備考
レチノール ターンオーバー促進、ハリのサポート シワ、くすみ、肌のキメ 刺激が出やすいため低濃度から導入推奨
ナイアシンアミド メラニン転送の抑制、バリア機能サポート シミ、くすみ、シワ予防、毛穴 比較的刺激が少なく使いやすい
ビタミンC誘導体 メラニン生成の抑制、抗酸化作用 シミ、くすみ、毛穴の黒ずみ 酸化しやすいため保管方法に注意
セラミド 角質層の水分保持、バリア機能の補完 乾燥、敏感肌、バリア機能の低下 50代以降の乾燥対策に特に有用
ヒアルロン酸 角質層の保水力サポート 乾燥、小ジワ 分子サイズにより浸透深度が異なる

また、製品を選ぶ際に「医薬部外品」と「化粧品」の違いを知っておくことも有用です。医薬部外品は厚生労働省が認可した「有効成分」を一定濃度以上配合し、特定の効能を表示できる製品です。シミへの効果を謳った美白製品の多くはこのカテゴリに属します。

一方、化粧品はあくまで「肌を清潔に保ち、健やかに見せる」ことを目的とした製品であり、医薬部外品よりも成分の規制が緩やかです。自分が何を目的にケアするかによって、適切なカテゴリの製品を選ぶことが判断の基準になります。

セルフケアの限界と専門医に相談するタイミング

セルフケアを継続することには確かな意味があります。しかし、すべての肌悩みがスキンケア製品で改善できるわけではないことも、正直に知っておく必要があります。

化粧品の成分が届くのは、基本的に皮膚の最も外側にある「角質層」までです。真皮レベルで起きているコラーゲンの変性、脂肪組織の変化によって生じるたるみ、あるいは深部に沈着したメラニンによる濃いシミについては、表面からアプローチするスキンケアだけでは対処が難しいのが実情です。

具体的には、以下のような状態が続く場合は、セルフケアの効果が期待しにくい領域に差し掛かっている可能性があります。

  • 3〜6カ月程度スキンケアを継続しても、シミの色や大きさに変化が見られない
  • フェイスラインやほうれい線のたるみが日に日に気になるようになってきた
  • 目元・口元のシワが表情をつくっていないときも目立つようになってきた

このような状態は、美容医療の施術が有効な場合があります。セルフケアと美容医療は対立する選択肢ではなく、前者が土台を整え、後者が土台では対応できない課題に対処するという補完的な関係にあります。セルフケアへの取り組みと並行して、専門医への相談を検討することは、決して「諦め」ではなく賢明な判断です。

 

美容医療で対応できる男性のエイジングケアと施術の選び方

セルフケアで土台を整えながらも、鏡を見るたびに気になるシミやたるみが残っている。そういった状況に直面したとき、美容医療という選択肢が現実的な意味を持ち始めます。

かつては女性中心のイメージが強かった美容医療ですが、近年は男性患者の割合が増加しており、男性の肌特性やライフスタイルを考慮した施術対応を行うクリニックも増えています。この章では、男性の肌悩みに対応する代表的な施術の概要から、クリニックの選び方、初回カウンセリングの活用法まで整理します。

この章のポイント
・悩みの種類によって適した施術が異なる
・クリニック選びには確認すべき基準がある
・カウンセリングは情報収集の場として活用できる

肌悩み別に見る代表的な施術の概要

美容医療の施術は多岐にわたりますが、男性のエイジングケアにおいて特に相談されることが多い悩みは「シミ」「シワ」「たるみ」「肌質全般の改善」の4つに大別されます。それぞれに対応する代表的な施術の概要を以下に整理します。

なお、施術の効果には個人差があり、肌の状態や施術の組み合わせによって結果は異なります。ここでの説明はあくまで各施術の概要と一般的な特徴を示すものであり、効果を保証するものではありません。具体的な適応や費用については、必ずカウンセリング時に担当医に確認してください。

肌悩み 施術名 施術の概要 ダウンタイムの目安
シミ ピコレーザー 超短パルスのレーザーでメラニンを破砕し、シミの改善を目指す 数日〜1週間程度(施術内容による)
シミ・くすみ 光治療(IPL) 広範囲に光を照射しシミやくすみ、毛穴の改善を目指す 比較的短い(数日程度)
表情ジワ ボツリヌストキシン注射 筋肉の動きを一時的に抑制し、表情によるシワの改善を目指す ほぼなし〜数日程度
たるみ HIFU(高密度焦点式超音波) 超音波エネルギーをSMAS筋膜層に集中させ、たるみの改善を目指す ほぼなし〜数日程度
肌質全般 ケミカルピーリング 酸性の薬剤で古い角質を除去し、ターンオーバーの促進を目指す 数日程度(使用薬剤による)
肌質全般 水光注射・導入治療 ヒアルロン酸などの成分を肌に直接導入し、保水力や肌質の改善を目指す 数日程度

仕事への影響を考慮する場合、ダウンタイムの短い施術から始めるという判断は合理的です。一方で、たるみのように真皮より深い層にアプローチが必要な悩みについては、ダウンタイムが短い施術でも複数回の施術を重ねることで効果を目指すものが多く、単発での即効性を期待しすぎないことが重要です。

複数の悩みが重なっている場合は、施術を組み合わせるアプローチが提案されることもあります。ただし、組み合わせの判断は必ず担当医と相談のうえで決めることが前提です。

クリニック選びで確認すべきポイント

美容医療を検討する際、クリニック選びは施術の結果と安全性に直結する重要な判断です。広告の印象や価格だけで決めず、以下のポイントを事前に確認することを推奨します。

まず確認すべきは、施術を担当する医師の専門性です。形成外科専門医や皮膚科専門医などの資格を持つ医師が在籍しているか、また実際に施術を担当するのが医師本人かどうかは、安全性を判断するうえで基本的な確認事項です。資格情報はクリニックの公式サイトや院内の掲示で確認できる場合が多くあります。

次に、カウンセリングの質です。初回カウンセリングの段階で、肌の状態をきちんと診察したうえで施術の適応や注意点を説明してくれるか、また断る選択肢を尊重してくれるかは、信頼できるクリニックかどうかを見極める重要な指標になります。カウンセリング時に感じた違和感は、施術後のトラブルにつながる可能性があるため、軽視しないことが大切です。

男性患者への対応実績も確認する価値があります。男性の肌は皮膚が厚く、レーザー照射の設定が女性と異なる場合があります。男性専門外来を設けているクリニックや、男性患者の対応実績が豊富なクリニックでは、そうした肌特性への配慮が期待できます。

費用については、施術費用だけでなく、初診料・再診料・アフターケアの費用が別途発生するかどうかを事前に確認することが重要です。カウンセリング時に総費用の目安を提示してくれるクリニックは、費用の透明性という点で信頼の一つの基準になります。

初めて美容医療を受ける前にカウンセリングで伝えるべきこと

美容医療に初めて足を踏み入れる男性の多くが感じる不安は、「何を聞けばよいかわからない」「不要な施術を勧められないか」という点に集約されることが多いようです。カウンセリングは施術を決める場ではなく、自分の肌状態と選択肢を把握するための情報収集の場として活用するという意識が、初回の不安を和らげることにつながります。

カウンセリングで担当医に伝えておくべき情報は主に3つです。

一つ目は、肌悩みの具体的な内容と気になり始めた時期です。「シミが気になる」という漠然とした伝え方より、「3年前から左頬のシミが濃くなってきた」という具体的な情報のほうが、医師が適切な施術を提案しやすくなります。

二つ目は、ダウンタイムの許容範囲です。仕事の都合上、赤みや腫れが出る施術を避けたい時期がある場合は、事前に伝えることでスケジュールや施術の選択に反映してもらいやすくなります。

三つ目は、現在使用しているスキンケア製品や内服薬の情報です。レチノールを含む製品を使用している場合や、特定の薬を服用している場合は、施術の適応や注意事項に影響することがあります。

無料カウンセリングを提供しているクリニックも多くあります。カウンセリングを受けたからといって、その場で施術を決める必要はありません。複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較することも、適切な判断をするうえで有効な選択です。気になるサインがあれば、まず専門医に状態を診てもらうことが、対処の選択肢を広げる第一歩になります。

 

まとめ

男性の肌は皮脂量の多さとは裏腹に水分保持力が低く、髭剃りや紫外線の累積ダメージも加わることで、ケアを怠ると老化が進みやすい構造にあります。40代以降は特に、コラーゲンの減少やターンオーバーの鈍化が重なり、シミ・シワ・たるみといったエイジングサインが表面化しやすくなります。

セルフケアと美容医療は、対立する選択肢ではありません。日々の洗顔・保湿・紫外線対策という基本を土台として継続しながら、セルフケアでの改善が難しいと判断したタイミングで専門医の判断を仰ぐというのが、現実的なアプローチです。

肌の変化は、対処が早いほど選択肢が広がります。まずは今日の洗顔後に保湿剤をひとつ取り入れることから始め、数カ月継続しても気になるサインが改善しない場合は、美容医療のカウンセリングを通じて専門医に状態を確認してもらうことも一つの手段です。

アラジン美容クリニックでは、美容医療および美容皮膚における長年の経験や博士号を持つ知見より、出逢う皆様のお一人ひとりに最適な施術を提供する「オンリーワン」を目指すカウンセリングを実施し、余計な情報や提案をせず、「ウソのない」美容医療で、必要な施術のみをご提案しております。

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参考文献・出典

  • リゼクリニック「性別・世代別『肌の悩み』に関するアンケート調査」(2024年)
  • Matsumura H, et al. “Hair follicle aging is driven by transepidermal elimination of stem cells via COL17A1 proteolysis.” Science / Nature(2019年)※西村栄美教授ら
  • 花王 スキンケアナビ(男性の皮脂分泌量に関するデータ)

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